7/2の主張 文は田島薫
(原爆投下しかたない発言について)
久間防衛相が、米軍の長崎原爆投下が日米戦争を終結させるためにしかたなかっ
た面がある、って発言し、長崎市民他、各層から批判を浴びている。
ひとりの政治家の失言に対して大勢が批判する、って形は過去に何回も起ってて、
そんなに過剰に反応することでもないのに、って感想を持つことも多いんだけど、
今回のように、米国による核兵器の人体実験だったって見方もあるような、明ら
かに悲惨な一方的被害を受けた人々がいる事柄について、それもしかたなかった、
って公共の場で言ってしまえる感性には想像力が恐ろしいほど欠如していて、こ
れは説明が足りなかったとかそれのしかたがわるかったとか言って、ただ謝れば
済むってレベルの問題ではなくて、彼の認識の根本的欠陥、って問題だ。
もし久間さんが、政治家でなくてわれわれと同じ一般庶民だったとしたら、しょ
うがない乱暴な冗談を言うオヤジだ、って、言ってその場だけのブラックユーモ
アってことで笑っておしまいになることもあるかも知れないけど、そういったブ
ラックユーモアってものも、その被害者の悲惨さに関する想像力がきっちり働い
ていて同情を感じているもの同士の間でこそ、それ自体はだれも正論と認めない、
って前提でうわーひどい事言うな〜、って形で初めて生きるような、危険な遊び
でしかないものなんであって、それを冗談抜きで真面目に、そういうこともあり
うる、って本気で発言したとしたら、われわれ庶民の間でさえ、ありゃ、この人
ちょっと頭が足りない、って評価されるような話なのだ。
だいたい、軍備を拡張させて、他国を攻撃する、って野蛮行為が普通の外交政治
上の選択肢のひとつだって真面目に論じているような、政治家や学者たちは、子
供の時に受験勉強だけやってたか、どっかで堅いもんに頭をぶつけたかして、そ
ういった人間社会生活に必要で基本的な他人に対する想像力を身につけられなか
った人々なのだから、われわれは彼らに早く退職してもらうように言おう。
戻る