7/2ののらねこ       文は田島薫


ねこも少子化か

小雨模様の朝出勤すると、2階のベランダにバットマンがいて、よ、って声かけると、

にゃ、って元気にあいさつを返したけど、腹すいてないのか、ごろ寝を続けていて、

3階のココア食堂で食事しよう、って気はあまりないように見えた。


他にはだれもいないんで、午後路地の見回りに行った。

小さな庭の家の庭にはきょうもねこ気がなしで、通りすぎたら、右手のアパートの前

に三毛が寝転んでいてお腹に茶の子ねこがはりついておっぱいを飲んでるとこらしか

ったんだけど、子ねこはそれいっぴきだけだった。

ねこがいっぴきだけしか子を生まない、って考えにくいんだけど、そうだったんだろ

うか?

ここんとこ何週にも渡って、ねこさんの姿が見えないこと書いてるんだけど、避暑に

行ったんだろう、ってことでいいんだけど、ひょっとすると本当にいなくなっちゃっ

たんじゃないか、って心配もある。

20年も観察してると、のらねこの寿命は短いせいなんだろうけど、初めの頃見かけた

り付き合ったねこさんたちはだれひとりいなくなって顔ぶれも何度か変わっている。

それに、以前は子ねこもよく見かけたし、増えることに危機感もあり、地域のみんな

が避妊の世話をしたりして、ココアスタジオでも2〜3度それをやったことがあった

んだけど、このごろは以前よりねこさんの数が減ってきてるようにも見えるのだ。

北側の路地はその親子だけ、銀行と酒屋に寄ってから南側に行くと、どっかの会社の

タイル張りの玄関前で、ちょっと薄汚れたウス茶がひとりでストレッチ体操してた。


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