7/9ののらねこ 文は田島薫
真夏日のねこさん事情2
このごろねこさん見ない、って言い続けてるんだけど、以前のねこ日記を見直して
みると、やっぱり夏の同じ時期はねこさんいなくなってるから、ただ暑くて昼間は
みんなどっか日陰のすみっこで涼しくなるのを待ってるだけのようだ。
20数年いたこの場所のココアスタジオも、そろそろ、さいたま市の自宅に引っ越そ
うか、って話が煮詰まって来たタイミングと合ってるもんだから、なんだか深読み
をしたりもしたんだけど、われわれとはほとんど無関係にねこさんの生活は代が代
わりつも、百年一日のように毎日くり返されているんだろう。
朝出勤するととなりのベランダの、ふだんブラッキーらがいた方と別の左どなりの
方にブラッキーが寝てて、そういえば、先週は同じそこにバットマンが寝てたから
暑い時にはそこはわりと涼しいのだろう。
エサを皿に入れて声をかけたけど、腹へってないようで、ふん、って無視された。
昼過ぎにシャンさんが外出から帰って来たらくろっぽいもんが慌てて広い方のベラ
ンダに逃げたので、のぞいてみると、靴屋のももちゃんらしい中肉中背のくろとら
がこっち見てるんで、よく見るとももちゃんじゃない、「別人」だった。
やっぱり、前にももちゃんを別なねこと見間違えていたかも、って書いたけど、別
なねこ、ってことで間違いなかったようだ。
いいよいいよ食べな、って言って聞かせてたら、安心したらしく、ゆっくりエサの
方へ戻って食事の続きを始めた。
午後路地の見回りに行ったんだけど、北側にもねこさん全然見えず、酒屋で発泡酒
を買ってから回った南側にもねこさんひとりもいなかった。