6/25ののらねこ       文は田島薫


空梅雨時のねこさん

先週は真夏の暑さでねこさんたちがどっか行っちゃった、って書いたんだけど、きょ

うは、そんなに暑くもなくて、2〜3日前の天気予報では雨のはずなのに、ちょっと

パラパラ降って来ただけの曇天、といった日なのに、となりのベランダの下の奥の方

にブラッキーの尻が見えただけで、やっぱり、他にはねこさんの姿が見えないもんで、

いつものように路地の見回りに行った。

路地の入口に、最近やっぱり路地を見回っちゃ、見かけたねこにエサをやってる中年

男女の2人組がいて、私が先に歩いて行き、小さな庭の家の庭をのぞいたら、やっぱ

りきょうもねこさんいなくて、通り過ぎてから振り返ると、2人組もそこをのぞき込

んで、しつこく点検、いないね〜、などと話し合ってる風情だった。

ズ−ッと歩いて、路地を抜けてから、酒屋で発泡酒を買い、今度は南側の路地をズー

ッと歩いたけど、ひとりもねこさん見かけなかったんで、路地出たところのやおやで

太い大根を買って、買い物以外の目的が済まないまま帰って来たら、となりのベラン

ダの下の物置きの屋根にバットマンが寝そべってて、顔の先はさっきのままならブラ

ッキーの尻があるはずなんでのぞき込んでみたら、もうブラッキーはいなかった。

バットマンがこっちに気がついて、なんだかけだるい日ですね〜、って顔が言った。


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