●連載 がたやま娘のひとりごと 文はこんのたえこ
地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!
たえちゃん、演劇にもチャレンジして人気者になれました。
バイリンギャル。
現在、山形市民が創る舞台で「平和劇場 朗読・劇」の舞台へ出演するため、週に2日お稽
古をしている。
山形の作家さんの物語で、地元のばあちゃんたちがお茶飲み話をしながら戦争の頃の思い出
を語るようなあらすじ。ナレーションとせりふの朗読・劇。もちろんせりふには山形弁がバ
リバリ出てくる。
台本の読み合わせのとき、私がせりふを言うとくすくす笑い声が聞こえた。演出家や舞台監
督さんは「あなた、山形生まれなの?ホント?ホントだよね。」と言った。私は生粋の山形
人なのだが、どっか訛りがおかしいのかな、と思った。そしてキャステイングが決まり、ば
あちゃんたちのうちのひとりの若かりし頃の役をいただいた。
ばあちゃん役の方がお稽古を休んだとき、代役としてせりふを読んだ。例によってくすくす
笑い声が聞こえ、がて大爆笑になった。
そして先日、舞台に出演する皆さんとの懇親会があった。年齢層が幅広く、20代から70
代までのいろんな人たちがいる。学校の現役の先生、地元の劇団の方々、役者さんの経験が
ある方、主婦の方、普通のおじちゃんおばちゃん。みんながみんな演劇関係者ではないのが
この舞台の面白いところ。
私は新参者なので、けっこうおとなしくしていた。そうしたら、話しかけてきてくれる人が
みんな「あなた、家におじいちゃんおばあちゃんいる?」と聞いてくる。話を聞くとどうや
らお稽古のときに笑うのは、今では珍しいほどの生粋に訛った山形弁なんだからだそうな。
ああそうか。私は確かにばあちゃん子で、うちのばあちゃんが話すことをいつもずーっと聞
いていたからなんだろうな。こんなところで面白く受け入れてもらえて、幸せだなぁーと思
った。
耳から聞いた言語は一番上達が早いというではないか。そうか、私は標準語・山形弁・古い
山形弁の3つの言語を話すことができるというワケだ。