6/4の日記          文は田島薫


真夜中の大騒ぎとフェリーニの静粛

土曜は友人のサニーが彼の友人の結婚披露宴で都内に来てるってことだったんで、

もし2次会がなかったりして早く終わるようならわが家で酒宴しよう、って言って

おいたら、2次会もすましてたっぷり酔って夜10時すぎにやって来て、居間に座る

やいなや寝転がり眠りこんでしまったんで、そのそばにふとん敷いてやって、そっ

ちへ寝た方がいい、ってアドバイスすると、いや、一寝入りしたら復活するから、

って言ってんで、悩み出版社と復活を待ってたら、12時すぎに復活した。

じゃ、飲もうか、って言うんで、こっちも前日にクボセンセー兄弟とサッカー見な

がら深酒してるんで少々二日酔い気味、飲み過ぎ同士でおずおずと酒宴開始。

彼が持って来た彼のバンドのライブ映像見たり、ギターでセッションやったり大騒

ぎ、ふと時間見ると、午前4時。ありゃ、ちょっとご近所にうるさかったかな〜そ

ろそろ寝るか、って気がつくのが遅い。


翌日はうとうと昼寝したりサニーとギターセッションしたりしてから彼は帰り、わ

れわれはいつもの日曜のパターンに戻ったんだけど、風呂上がりにもいつものよう

には発泡酒もうまくないんで、1本だけでやめ、図書館で借りて来ていたフェリー

ニの古い映画「道」を見た。

これは何度も見てるはずなんだけど、覚えてない場面がいくつもあって、意外に新

鮮な発見をしながら楽しめた。

記憶の中では、アンソニークイン演じる鬼のように乱暴な男に虐待される薄幸でけ

なげな女、って単純な図式のイメージがあったんだけど、男には情も公平さの部分

もあり、女の方も虐待によって男をきらう、ってことじゃない部分も大きくあり、

なかなか複雑な人間心理を描写してることに改めて気がついた。

愚直なクインをからかう才気のある男のジョークには普段の自分なら無邪気に大笑

いする側のはずなのに、クインに感情移入し、こんなふざけたやなやろーはイテコ

マシチャエ、って感じたもんで、立場が変われば感じ方も変わる、人を傷つける自

分自身の感情のいい加減さも少し自覚したのだった(?)。

しかし、あんな屈強で凶暴な男をからかうなんて、考えようでは勇敢な男だあの才

気あるお調子者は、しかし、身のほど知らずのただの馬鹿か〜、ってことも言える。

や〜人生勉強になるな〜フェリーニ、も。


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