1/29の主張             文は田島薫



(教育再生会議について)

安倍首相主導の元、教育基本法の改正に続き、教育再生会議によって、作られ

た報告書について、私も非常に違和感を感じていたところ、本田由紀さんとい

う東大の若い助教授が今朝の朝日新聞誌上でそれを批判していて、説得力があ

るので、概略を以下にご紹介したい。


「教育についての科学的な検証従事者をひとりもふくまないメンバーによって、

作られたそれには危うい論点が多々あるが、ここでは“ゆとり教育”への決別

と“学力向上”を意図した授業時間数の増加に焦点をあてて。1、ある研究グ

ループによる学校の授業時間数と国際学力調査の成績との関連の分析結果では、

関連は認められなく、成績が上位の国は授業時間の短い国である。2、“学力向

上”の必要性の根拠になったわが国の“学力低下”は成績上位層に関しては国

際的に見て事実ではなく、下位層についての問題であり、それは授業時間の量

的問題というより、質的問題、要するに子供が教育内容に生活や将来との関連

性や意義を見出せないことによる。証拠に、わが国の児童は勉強が好きだとか

楽しいとか将来の仕事に結びつけて勉強していると答える者の比率が際立って

低い。教育内容の改善と習得水準を確認した上での進級許可のしくみの導入こ

そが求められている。」


と、こういったことなんだけど、専門家も入れずにいわば素人集団が勝手な判

断で子供の教育について決まりを作るやり方で、疑問を持たないレベルの人々

によって、例えば、教育委員の監視チェックされるだとか、教員の適正審査を

定期的に行われるだとか、ってこと自体も恐ろしいことじゃないだろうか、い

じめをした児童への出席停止、なども、短絡的やっかいもの切り捨て、ってこ

とになり、教育の本来の目的意義から正反対の愚案だ。


今われわれは、危機感を持って政治を監視していかなくちゃいけない現状だ。




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