1/9ののらねこ 文は田島薫
新年のはじまり
新年はじまったばかりの正月松の内は人間もねこもあまり外で見かけなかったん
だけど、9日ともなれば、普通の生活パターンが動き出して、ねこさんたちも、
ひと安心、一時はどーなるかと思ったんだけど、エサこまめにもらえるやり方に
戻ったよーだ、って。
朝、出勤して来る途中の路地の角の家の前のくろとらも木わくに首つっこんで、
下に置かれたエサ皿のエサ食べてて、私がのぞきこんだら、ちょっと中断して、
首出して、なんだよー、って目で文句言ってからまた木わくに首を入れた。
北側の路地の小さな庭の家の庭では別のくろとらがエサをもらった食後のようで、
そこの主人が何か洗ってるそばに積み上げた箱のてっぺんで、満足そうに伸びを
していた。
南側の路地では私の行く手の右側からうすちゃが出て来て、路を渡る前にこっち
を見てから立ち止まり、こっちが通り過ぎるのを待ってるようなので、どうも、
って顔で合図しながら、先に通らしていただいたら、それを、確認してから、少
し早歩きで路を横切って行った。
そーいえば、さっきもうすちゃが別の場所を歩いて行く姿を見かけたんだけど、
あれは別人だったかな?(人じゃない、ってば)