●連載 がたやま娘のひとりごと      文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

今回は、たえちゃんビールはなさず、力ずくのキャンプ、って話。


ド田舎キャンプ

友達家族その1その2とキャンプを行なった。友達家族の子供たちと、うちの愛犬わ

たる、友達ん家のもうすぐ化け猫になるシーちゃんの、総勢10名とペット2匹。

今年は正式なキャンプ場ではなく、友達の家の近くの野原で行なうことになった。野

原というより、原野に近いような場所だ。

友達の家の土地なので、そこのお父さんが先陣を切ってすんげぇ剛毛な雑草たちと戦

ってくれた。レジャーシートに穴が開くほど元気な雑草たち。後発隊の私は、ターフ

張りからテント張りを手伝った。っていうか、もうビール飲んじゃったし暑さでやら

れていたので、ほとんど働かなかった。もう記憶に無い。

テント張りが終わったら、友人0号とうちの夫でヤスを片手に、少し離れたところに

魚を獲りに行った。子供たちは川で思いっきり遊んでいた。帰ってきたら夫は川で転

んだとびしょ濡れで擦り傷もあった。川魚のちっこいの2匹と極小1匹がやって来た。

女衆たちはトン汁を作ったり焼き物をしたり甲斐甲斐しく働いていた。私はひたすら

飲んでいて動かなかった。

日が落ちたらどわっと虫が寄ってきた。虫除けスプレーなんかほとんど役に立たない。

カンテラの位置を工夫したり、蚊取り線香の位置を工夫したりしたが、ほぼ自然のな

すがままで居た。おトイレは自然への還元。敵に注意しながら用を足した。この辺は

タヌキやキツネはもちろん、熊や猿やカモシカも出るそうだ。こちらは一応の番犬と

して、ちっちゃなわたるがいる。みんな「わたるちゃん、よろしくな!」と声をかけ

てくれた。

さんざん飲んで語ってから勝手にテントで寝た。夜が更けるにつれめっちゃ寒くなっ

た。真夏とはいえ山をなめてはイケナイこと、身にしみて理解した。

朝さわやかに起きて、みんな生きていることを確認した。野生動物たちも近くには来

なかった様子だった。私は朝から飲んでやる気を見せた。朝ご飯を食べて少しぐーた

らした後、テントを撤収するときは多少働いた。撤収しながらだんだん日陰が少なく

なっていくのは辛かった。みんな暑くてグデングデンだった。思いっきり日焼けをし

た。ゴミと荷物を持ち帰りながら、いったん近くの友人宅に寄らせてもらった。


麦茶をガブ飲みしながら「文化って素晴らしい!」「人間らしい生活って、どっちな

んだべ?」って叫んだ。


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