4/2ののらねこ       文は田島薫


冴えた気分じゃない

きのうの日曜は真夏日だったのに比べると今朝はちょっと肌寒く、階段のぼりな

がら見たとなりのベランダのブラッキーは後ろ足を体の下へ潜り込ませて寝てた。


午後、路地の見回りに行ってみたら北側の小さな庭の家の門フェンスの間から、

くろとらが首を出して、今まさにどっかへ出かけようとしてるとこだったんで、

ちょっと踏みとどまってもらって、顔をながめさせていただいた。


くろとらも(このあたりくろとら、って同じ柄のねこがざっと6匹はいるんで、

名前で区別するの面倒なんでみんな同じ呼び名にしっちゃってるんだけど、この

くろとらはけっこう若い、多分つーとん3せなんかと同じ世代と思われる)じっ

と同じ体勢でしばらくこっちを見ながら居心地わるそうにしてから、また庭に戻

って行ったんで、その場を離れ、銀行寄ってから南側の路地へ行ったら、そこに

はねこさんだれもいないもんで、じゃ、また北側のくろとらさんにインタビュー

申し込もう、って路地に入って行こうとすると、ちょうど小さな庭の家の庭から

つーとん3せとみけがふたりで飛び出て来て道の向こうへ行ってから立ち止まっ

たんで、そっちへ行きながら、庭をのぞいたら、くろとらも他のねこさんもそこ

にはいないようで、道のおふたりさんだけがねこコラム取材のたより、というこ

とになった。


で、よ、って言おうとしたら、みけの方はちょっと振り返ってから、ととと、と

向こうへ行って見えなくなり、つーとん3せの方は近くにあったみかげ石の塀の

上にいつの間にか上がっていて、背中を丸くして寝そべってこっちを見てる。

で、こっちも向こうを見てたんだけど、彼は何だかあまり気分乗ってないようで、

塀のみかげ石と同化しちゃってる風情。


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