きょうののらねこ       文は田島薫


秋晴れのねこさんたち

秋晴れの気持いい天気、事務所への外階段を上がって行くと、どっかで、りんりん

って鈴の音が聞こえたよーな気がした。

朝1だったシャンさんの自宅が都内から千葉県へ引っ越しになってからは私の方が

先に出勤することが多くなった、ってわけで、ドアの鍵をあけてから、外のエサ皿

の空っぽなのを確認して水こっぷと皿をかたづけようとしたら、また鈴の音がした

気がして思わず振り返ると、バットマンが寝そべってるのに初めて気がついた。

なんだ〜いたのか〜、って体をマサージしてやると、にゃ〜、って喜んだ。

エサ入れた皿と水もってドアから出ると、すぐに寄って来たから、きょうの食事は

ここが最初のよーだった。


昼過ぎにとなりの建物のベランダでバットマンが昼寝してるのをながめながら、路

地の見回りに行った。

北側の小さな庭の家の庭の道路ぎわでにせつーとんが足を伸ばして、毛づくろいし

てて、私がそば行くと、びくっ、って足を交互に踏み違えてまんまる目で、びっく

りしてた。

この間もうちの事務所のあるビルのわきのスーパーへ抜ける狭い通路を買い物する

んで歩いてたら、わきのちょっと広くなったスペースの通路のぎわで同じように毛

づくろいしてたにせつとーんが、目の前に立った私に気がついて、びくっ、って足

を交互に踏み違えてまんまる目でびっくり、なんだ顔見知りの人だ、って気がつい

て続きを始めたんだけど、買い物済まして帰って来て同じ場所来たら、またびくっ、

って足を交互に踏み違えてまんまる目でびっくりしてるもんだから、そんなにびっ

くりするんなら、もっと通路かはなれた奥の方でやればいいじゃないかとも思った

んだけど、どーなんだろー。


で、小さな庭を過ぎて右手の奥のアパートの階段の下でにせつーとんの子供と見ら

れる同じ柄の子ねこがまるくなってて、ながめてたら、こっちを、なんだよー、っ

てけげんそーににらんだ。

多分つーとんの子どもであるにせつーとんと、その子ども、ってきちんと世代をリ

レーしてるつーとんファミリーはその繊細な感性?が繁栄力の元なのかも。


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