11/20ののらねこ 文は田島薫
お茶にごし話
きょうは朝から雨で、ココア食堂にはねこのお客さんの来店がとどこおってる。
午後見た時には、ちょこっとエサが減ってて、さっきバットマンが来た、って、
シャンさんが言ってただけなもんだで、路地の見回り行ったんだけど、小さな庭
にもだれもいなくて、北側のアパート前に小さなミケが座ってるのが見たねこの
すべてだったし、彼は話しかけても乗って来るタイプじゃない、って気がしたも
んで、いやいやどーも、今度少し慣れてからお話でも、って別れた。
そんなもんだから、さいたまの自宅のとなりで飼ってる2匹のねこの話で、お茶
をにごさせていただきます。
一匹はグレーで扁平な顔した愛きょうのある顔で、近づくと、向こうも寄って来
る人なつっこい梅ちゃん、もう一匹は目が合うと立ち止まってこっちを見て気に
してるんだけど、近づくと逃げちゃう名前は知らないくろとらで、どちらもまだ
大人になりきらない子供だ。
くろとらは、神経質なわりに行動派で、うちの裏のさくを飛び越えたり、その向
こうの家の庭ん中入っていったりするのを目にする。
で、何週間か前の夜、ねこがなんだか威嚇してるような鳴き声がするんで、2階
の窓を開けて見てみると、道のわきのアパート前の外灯に照らされたに駐車場の
車のわきにくろとらがいて、車の陰の別のねこに文句を言ってるようだった。
しばらく見てたら、相手の方も鳴出したんだけど、こっちの方は声がかん高くて
くろとらの風格勝ちの感じで、おー、あいつなかなかやるな〜、って感心してる
と、調子に乗ったくろとらは実力行使に出たようで、車のかげから相手のねこが
逃げ出てきたんだけど、ありゃ、こっちも同じようなくろとら、でもよく見ると
こっちの方は一方よりくろとらでも少し黄色がかってて、向かいのアパートの自
転車置き場の隅に追い詰められている。
よく観察してみると、どーも、追い詰められてる方がとなりのねこだった。
先日はとなりの家の前でそのくろとらと梅ちゃんが並んで座っていたけど、近づ
くと一方は逃げちゃうことわかってたので、遠くから、よ、ってあいさつした。