今週の雑感(昔のもありの)              文はさぬがゆたか


ソノ世界的イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だよりです。
感動もあり、そーでもないのもあり、で、謙虚にタイトルは雑感のまま。




『  R O C K な 夜   』

思えば久しぶりな電車。花見の頃に酔っぱらって乗ったごきげん乗車以来だからたいしたものだ。

「湘南ライン」という湘南エリアの方々には申し訳ない名前の宇都宮発上京電車に乗って新宿まで

走る。せっかくだからと耳にイヤフォンを差し込み、週刊誌を買ってあたふたしてる間に「池袋

〜池袋〜次ぎは新宿〜」となり、すでに初夏の人の装いをゆっくり楽しむ暇もない忙し電車。

今日は何度も誘われていたのに行けなかった友人のバンドのライブの日であり「もうこのままじゃ

恍惚の人となってしまうべ!」と恐れをなしての奮起一発。

仕事もほぼ作業一筋の缶詰め状態で、寝ても覚めても絵ばっか描かなくちゃいけない状態だったし

ここんとこ打ち合わせでも、遠路はるばる編集の人に田舎まで来てもらったりしていた。ただただ

申し訳ない日ばっかりで、その合間、盗み息抜きタイムが近所のホームセンターや本屋だったの

だから可愛いものなのだ。


新宿の駅を登り降りし中央線で吉祥寺。メールでもらった案内図はあんがい駅から近かったけど

ビビった。もう初夏だというのに黒皮ジャンバーにジャラジャラの鎖もんばっかりじゃん!

そこにポツンと田舎から出てきたオッチャン一人。一応知り合いってことで楽屋ぽいところで

開演までスタンバイオッケーにしてもらったけど、1/4世紀も年の差離れた他のロッカー達の鎖

チャラチャラ音を耳にしながら待つのは厄介だったし不思議だった。

そう、テレビドラマ「北の国から」お葬式のために北海道から久しぶりに上京した純がオドオド

しちゃうような場面、そんなシーンを思い浮かべていた。

「ケイコちゃん、僕はすでにロッカーではないと思われ・・ただただ楽屋になんだかいるだけで・・

富良野がやっぱり・・」


それでも、まあ、ふと顔を見上げればそこには出番前の調弦を地道にしているヤングなギタリスト達

がいて、今や求め易くなった名器フェンダージャパンやリッケンバッカーが並んでるわけで、結果

黒い皮ジャンや鎖があるだけなのだ。ペンペンと試し弾きしてる彼らよりこのオッチャンの方が遥か

ベテランギタリストなのになぜにビビるのか(笑)

やっぱりバンドは現場で楽しみ表現するのが一番で、なんだかんだと言いつつ思いつつ行動に移せない

でいる苛立ちにビビっているのが正直なところなんだろな。そんなところがあるもんだから、ライブが

始まっても一観客として「イエ〜ッ!(旧いかあ?)」って乗れなくて、分析しちゃう癖は未だに

出ちゃうところが悲しいトホホなのである。

「どうして歌詞の部分がこんなに聞こえないセッテングしちゃうんだろ?」

「せっかくの表現の歌詞なのになあ〜もったいない!」とか

「サブのギターのチューニングが甘いし、ドラムのハイハット音ひきずり過ぎじゃないか?」とか

どうでもいいですよ〜!的時間を過ごしてしまう。ま、そんな事を思いつつもぬるいビールを飲み

骨盤あたりにド〜ンド〜ンと響くベース音圧がいいですけどね。

「ロックで不平不満をぶっつけろ!!世直しだあ!」なのは解るけど、なあんでか本気で響いて

こないのはなんでだろう?押せ押せばかりの歌詞だからだろか?説教ぽいのが嫌いだからなのか?

伝えたい歌詞に抑揚がないからのか?身体だけはドスンドスンとリズムを楽しんでいるんだけど

頭の隅っこでは何か欲求不満になっていた。ひょっとして世の中が進んでしまって、自分には

解らない音楽になってもうたのかい?などなど。

ま、バンドをやらなくともジミ〜に今の絵本を仕上げ、どこかの子供達がそれを観て、心が優しく

なり平和になれれば、それはそれで自分の「ロック」じゃないか!と思うようにしてるんだけど。

でもスッタコポンポン〜ッ!ってパーカッションを叩きたい気分100%な夜だったのは間違いない。

ちなみに知り合いバンドはすべてオリジナルで中々いい味を出していたし、ギターの半チョーキング

違和感音が新鮮だった。それを伝えたら「よくぞ!見破ったなあ〜^0^」であったのも書いておかなきゃ。

んで、その後10人もで打ち上げ会があり、やんややんやの吉祥寺、久しぶりの深酒も

ドスンと効き田舎もんにや長い夜になったらしい・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

帰宅後、一応エレキギターを持ち出したのは言うまでもない。



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