5/1ののらねこ 文は田島薫
馬鹿陽気の日
きょうはまだ5月の第一日だっていうのに、気温は30℃ぐらいまで上がった馬鹿陽気。
引っ越しして後用事に追われるシャンさんより私の方が先に出勤した。
ドアよこのココア食堂のエサ皿はなめたようにきれいに空っぽだった。
エサ出してひっこむと、すぐにだれかが来て食事をしている気配がするのでドアよこの窓からのぞくと、バットマンの黒い背中としっぽが見えた。
ドアから外へ出て、広い南側のベランダの入口の段差にこしかけて、よバットマン、
って言うと、ちょっと食事を中断して、こっちを向き、ん?、って顔をしてから、す
ぐに、また食事の続きをした。
ながめてると、そんなにもりもり食べてる風でもなく、そんなにぼかー、このエサ好
きじゃないんだよなー、って感じで、間もなく、やめてこっちの階段の方に歩いて来
たんだけど、私の前を間合い取って抜け、こっちも見ずあいさつもなしに階段を下り
て行ってしまった。
2階踊り場からブロック塀のねこけもの道へ出たら向こうに太った白がこっち向いて
座っているので、バットマンは立ち止まり、しばらくどうしようか考えている。
で、けっきょく、白のいるのと反対に向きを変え、地上に下りた。
その後、白は同じ方向に来た後、2階踊り場に出て来たところで私と目が合った。お、どーしよー、って固まったところへ、おーいこっちおいで、って手招きしたら、
ほっと、したようで、その場に寝ころんで腹を上にむけて、背中すりすりした。
昼前に来ていたシャンさんがバットマンが来たけどエサちょっとしか食わなかった、って言った、なんだい、バットマンまた来て食ってるんだ。
あんまりうまくないエサなんで、食べるのいい加減でやめて帰るんだけど、気がつく
と、まだ腹減ってるんで仕方なくまた来る、ってとこかも知れない。