●連載
がたやま娘のひとりごと         文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

今回は、休日の公園でのちょっとした回想とちょっとした見せ物。



サクラサイテイタ。

こちら山形は、サクラ終わりです。これから先は、山形より北の地方でサイタサイタ、

サクラガサイタ、の季節でしょう。良い時期です。

夫と愛犬わたると、お休みの日の朝にサクラを見にお散歩に行きました。近くのドトー

ルでコーヒーでも買って、ちょっと一休みしようじゃないか、と。

実家近くの公園。昭和の初めの時代に実際に使われていた、スリーナインみたいな汽車

があって、動かないんだけども、実際に触れることができて燃料補給するみたいなとこ

ろにちょこっと入って座れる。けっこうアコガレの公園だ。そんで昔は池にアヒルとか

がいて、すぐ隣には小鳥屋さん兼駄菓子屋さんがあって、大きなオウムを飼っているお

ばあさんがひとりでやっていた。がらがらっと扉を開けると、足輪をしたオウムが止ま

り木にいて「イラッシャイ」と言った。確かその他に小鳥も売っていたように思う。そ

んで、脇に駄菓子とかアイスが売っていた。今考えると凄まじい食品販売環境だけど、

ハラこわしたとかいうめんどくさい話は聞いたことがない。今は池はあるけど、アヒル

はいない。駄菓子屋さんのところはいつの間にかマンションになっていて、まるで東京

みたいだ。

計画通り近くのドトールでコーヒーを買って、ベンチに座ってサクラを見た。風がそよ

そよするたびに、はらりはらりと花びら池の水面に散る。その花びら池には、魚が泳い

でいる。青空と微妙な白ピンクのサクラが美しく、春がきたんだヨ、とそっと目とココ

ロに教えてくれる。

いきなり夫が「ハト、シャワー浴びしった。」とつぶやいた。どこ?と見ると、池の噴

水のところに一羽いる。初めて見た。カラスの行水ってよく言うけど、ほとんどの人は

実際に見たことがないと思う。私たちが見たのは、ハトのシャワーシーンだ。羽をカウ

ンタックのドアのように縦に広げて、噴水シャワーを浴びている。ほほう!ちょっとし

た学者気分だった。

シャワーの時間が長いのか短いのか、カラスの行水を見たことがないので、分からない

けど、そのうちカラスに邪魔されてやめてしまったので、私たちも帰ってきた。


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