3/27の日記          文は田島薫



日曜日の散策

よく晴れた日曜は、また精神的悩み温存出版社が来たので、散歩に連れ出した。


昔は、我が家のまわりは雑木林や畑や野原や小川なんかがいっぱいあったのに、

今やびっしり住宅街になっちゃって、古い家も新しいデザインの家に改築され

たりして、あたりの様相がどんどん変化して来てることに、無常を感じる。

途中のスーパーに寄り、ビール買おうか、って出版社に聞いてみると、自分はお

茶がいい、って言うので、100円の買い物だけでそこを出た。


調宮(つきのみや)神社の公園の桜は3分咲きで、早くも花見の宴会をしてる団

体が3つぐらいあったんだけど、どこも若い連中で、われわれおやじたちの花見

のイメージからすると、今ひとつ盛り上がりに欠けるようで、ぼそぼそ談笑しつ

つ注いでる酒の準備も全然量が足りないように見えた。(大きなお世話だけど)

中には半数の男女が酒をほっといて、ドッジボールのようなことをやって騒いで

いたりするので、だめだめ、花見は酒飲んで酔わなくちゃいかん、って感じて、

ちょっと注意してやろうかとも思ったりした。(大きなお世話だけど)


そこを縦断して、浦和の繁華街へ出、古本市でしばらく物色してから、埼玉会館

の展示場で書道家書道展やら、浦和第一女子高の生徒の作品展などをのぞいてか

ら、うん、やっぱりあんまりたいしたことなかったな、って、目で確認しあって

から、また歩いて戻って来たら、いい運動になった、って出版社が言った。


家で発泡酒と安ワインを飲みながら図書館で借りて来ていたアニメ「木を植えた

男」と、ジミヘンとセロニアスモンクのビデオを見た、音楽ビデオの方はどちら

も、演奏より、周囲の関係者によるコメント満載の構成で、あー、こりゃ、図書

館でただで借りるのに一番向いてるタイプのビデオだ、と思いながら、いつの間

にかうとうと居眠りをしそうになった、のどかな春の日曜日。


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