3/27ののらねこ 文は田島薫
みなさんおそろいきょうは朝からぽかぽか温かく、さくらも咲き始め、青空の広がるいい天気。
ココア食堂のエサ皿は出すと間もなくだれかが来てたっぷり食べて帰った跡。
午後、食料の買い物がてら近所の路地を見回りに出かけると、小さな庭の家の庭ではつーとんが小さくて浅い木箱に顔を伏せてさかんに何か食べてるの
で、つーとんお久しぶり、って言おうと思ってたら、こっちを向いた顔は別
人(人じゃないっ)の丸がおだった。
離れた塀の上の発泡の箱の上にはやっぱりつーとんに似た毛並みの丸がおの
子ねこが座ってくつろいで、こっちを見てる。
目を道の反対側に向けると、わきから黒と白のぶちの子ねこが出て来たので、そっちへ行き、よ、ってあいさつすると、こっちを見上げてから、こっちの
足元から1メートルぐらいのその場に寝そべった。
しばらく見てたけど、時々ちら、っとこっちを見るだけで、くつろいでる。
それ以上何も起こらないので、その場を離れることにして、つーとん毛並み
の子ねこをもう一度ふり返って見たら、大あくびをするとこだった。
もう一本の南側の路地へ行くと、弁当屋の前にうす茶とグレーと茶とらが、思い思いにガラス戸の方を向いて、座って何かを待っているようだった。
私がそばに立ってそれを見てると、みんながいっせいにこっちを見たけど、
また、何か納得したように向こうを向いた。気がつくと、私も彼らといっし
ょにガラス戸の向こうの何かを待ってるカタチだった。
路地の角のやおやでキャベツとしょうがと泥ねぎを買ってから、事務所への階段を上って行くと、2階の踊り場に続く屋根にバットマンの後ろ姿が見えた
ので呼ぶと出て来てわきへ行ってから伸びをして、寝転がった。
身体をマッサージしてやったら、にゃー、とお礼を言った。
いっしょに3階へ上がると、彼はエサの方へ行き、私はドアの中へ入った。