7/3の主張 文は田島薫
(豊かさの不幸について)日本は世界の中でも豊かな国と言われ、確かに日々の食事の調達にも苦労する人は、
あまり見かけないようだし、ほぼ全員が屋根の下で寝泊まりでき、破れのない洗濯
された衣服を着用している。
それどころか、多くの家に自動車があり、モダンなアパートや住居に住み、先端フ
ァッションの衣服を着た人々が大多数だ。
でも、そんな経済的な発展につれて、人々自身が私なんかが子供のころにくらべ、
数段幸せそうに見えるか、って言うと、非常に疑問だ。
人々はそういった物質的恩恵を大切なものと交換してしまっているのだ。それは、時間であったり、人々とのこころの交流であったり、何か好きなことを存
分にやる自由であったり、自分の気持を正直に表現できる環境であったり。
周り中が競争相手であり、言わば敵だと言うかのように、りっぱな材料を使って厚い壁の家をつくり、近所とのコミュニケーションを断ち、家の中も個人尊重って言
いながら、また、厚い壁でしきり、個室をつくり子供を隔離し、子供は愛について
学ぶ機会を失い、その個室の中で強権的な親への殺意を育てる。
そのりっぱな家の主人である親たちは、愛と言えば愛かもしれないけど、子供の上がり続ける学費をかせぐために、こころを閉ざしたまま身を犠牲にして夜遅くまで
働き続け、子供は子供で夜遅くまで学習塾で他人を押し退けるためだけの入試用知
識を詰め込まれる。
家庭関係崩壊と、人間不信教育。
晴れて大学入試合格すると、子供は遊び始め、また、卒業近くなると、就職用の詰め込み知識を仕込む。
で、就職すれば、世界の在り方や自身の仕事の本質を追及する人間はほんのわずか
で、大多数は、ただ愛のない環境の中で、ただ義務のように必要経費をかせぐだけ
のために、日々の保身と、数十年後の退職金の計算をするだけ。
おーい、みんな、日本は、こんな今のままででいいのかな?
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