今週の雑感(昔のもありの)              文はさぬがゆたか


ソノ世界的イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だよりです。
感動もあり、そーでもないのもあり、で、謙虚にタイトルは雑感のまま。


「   夏 日 記   」

いつの間にかWCサッカーも終わり、DVDに焼いていたら年に一度の七夕も終わってしまった。

もはや派手めなイベントはもうないかと思っていたら花火の季節。田舎でもあっちこっちで

ドーン!ドーン!と宴音が響くもののなんだか気分が乗れないのは、去年の戸田板橋の

20万人超の人混み花火が激し過ぎたせいかも知れない。

地味ーに9月末まではかかる絵作業の繰り返し連日だから、それはそれでいいんだろって

考えてる身としては助かるんだけど、間に仕事で取材やらなんやらあっても地味に変わりはなくて

このココア通信のコラムにさえ、書けるような材料探しで苦心してる退屈な存在になっている。


そんな週末、う〜んと昔からの友人のライブ活動に参加要請の軽い約束もあったんだけど、やはり

う〜んと昔からのスキー仲間からも「東北に行かないか?」って誘いが来た。

もちろん両方とも知り合いだから相談し今回は「東北」に決めた。

お互い関係が似たような状況や年齢で世間で言う子育てが終わった世代。どうであれヒーヒー言い

ながら過ごした十数年間だったけれど、趣味を殺さずそのまんま越してきた関係でいられるのが有難い。

「で、どうして東北なん?仙台なん?」

「ま、行けば分かるよ(笑)!」


まだ梅雨空が明けない佐野インターから東北道300?を走り仙台で降り山に入ると、そこには

ウッディハウスが建っていた。「どうよ?小さいけど雰囲気あるっしょ?」

数年前から考えていたらしいけど、今回もまた彼の想いの発表会になってしまった。

いつものことだけど、知らないうちに我々はなんだか誰かが何かをしている(笑)

仙台の中心街からも車で十数分だし秋保温泉っていうのもある。仮組の丸太がまだ転がって

いるような状態だけれど、序々に完成させていこうって段階らしい。草を抜いたり植物を

植えたりの手伝いをしたのち、街に食材の買い出しに出た。新緑の山々に囲まれ川があり

人口100万の仙台がある。海にだってすぐに出られる環境はやっぱり人の生活ってものを

するにはいい街なんかも。車の窓から腕をブラリ出し心地いい風を感じながら、そんなことを

語りあった。 温泉に行きサラサラになったあと、近くの酒房家に出向き土地の肴でビールを

飲んでいい気分になり、戻ってからまたでかい木製テーブルの上に肴を並べ酒を飲む。

アップルのipodスピーカーから流れる音も良く響くし、渋くギターでブルースしたし、

だいたい窓からの山々の静けさがいいよ。 てなわけでバタンと寝た。


翌朝秋保温泉の渓谷を観光したのち、山形県境の稜線に向って細い山道をギリギリ登る。

「美味しい水」が湧いている場所があって、地元で人気だから休日は忙がないと大変なんだって。

で、用意したタンクにせっせと汲み入れた。米を焚くにも違うしお茶もウイスキーも違うらしい。

帰り路にペットボトルにいれたその水をチョイ飲んだら、まあるい味がした。


昼近くになり腹が減ったので、昨晩から予定していた塩竈港の市場に向うことにした。

仙台市を囲うように郊外を走る高速道からは、ブーメラン状の競技場がかっこ良くも見えるし

負け続けても愛される楽天イーグルスの本拠地の存在が分かるような気がした。

地方都市の快感ってあんがいゆるく暖かかくて、血液の流れに準じるような感じなんだろな。

「話題の海鮮丼」は無事安泰で1500円でアワビも久々の登場!満杯海に感謝感謝だったし

おまけに松島まで足を伸ばし一個数百円のジューシーなトゲトゲ付きウニも食べた。


さ、帰ろう。腹いっぱい胸いっぱいで高速道に乗りながら僕らが話したことは、

「どんな年齢になってどんな環境や家で過ごし、なにをしていたいか」などなど

けっこう具体的に話してみた。

「刺激的だけど嘘や空虚もある街で過ごしたいか?」「それを大目に見れるか?」

「正直な山々の中でもがきながら過ごしたいか?」

まだ世間は恋しいし、それでいて自分達ってものもまだまだ半端だけど、なんとなく

見えてきたような旅だった気がする。






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