●連載 がたやま娘のひとりごと      文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

今回は、おいしいもの食べると、すべてがハッピーエンド、って話。



お誕生日

私の誕生日は、夏休みの真っ最中。小学校の時、誕生日パアチイに呼んだ友達ほぼ

全員が、当日はすっかりお忘れになっていらっしゃったという、キビスイ思ひ出が

ある。25年ほど前はメイルやケータイデンワなど想像もつかない産物であった。

だから夏休み前に約束していたんだ。家には黒電話ひとつしか無かったよな。


それ以来、楽しいお誕生日のご記憶など無い。その後は、東京に出たばかりの19

歳の誕生日、お友達と横浜散策に行ったが、鼻血ブー的な暑さでおぼろげなご記憶

しかございません。それから、何らドラマテイックな記憶は無く、もう30歳を過

ぎる頃には、自分の母親さえワタクシの誕生日をお忘れになってらっしゃった。


しかし、このたびからは結婚し、夫が三日違いの誕生日。一緒にお誕生日パアチイ

ができるじゃないか♪


ってことで、二人のお誕生日だし、何かおいしいもの食べに行こう、と決めた。


師匠のヒロコちゃんの同級生の小料理屋さん。ご主人は東京の某有名料亭にいらし

て、数年前に山形に帰ってきてお店を出したそう。とてもおいしいけどリーズナブ

ル。で、そのお店に行こうということになった。


おまかせコース。どのお料理も「うわー♪」と言ってしまうほど見た目もお味も良

い。コレは日本料理では一番大切なこと。そして日本酒とお肴(お魚)がとっても

合うしおいしいんだぁ!と初めて感じた。いつもお酒を飲んでいるのに、この日は

珍しく日本酒をいただいて、初めてそう感じた。お料理が終わっても、夫が「ここ

の天ぷら食べたい。絶対おいしいと思う。」と言ったので、少しだけでいいので、

ってお願いした。いやいや、美味い。



「今度は親も一緒に連れて来たいね。」って話しながら帰ってきた。中年大人の誕

生日パアチイ。


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