7/10ののらねこ       文は田島薫


ねこっ子ひとり

今朝はだれも来ないし、となりの屋根やベランダにバットマンもいない。

これじゃコラムの文書けないので、昼食のあったかおつゆそば用のキャベツとショ

ーガ買う(どーでもいいか〜)ついでに早めに近所の見回りに出かけた。


北側の路地は夏には人気のはずなのに、小さな庭にもどこにもねこさんの姿は見え

ないので、よわったなー、って思いながら歩いて南側の路地に回ったら、白がちの

三毛がひとり前足をたたんで、精巧社とか(どーでもいいか〜)、って看板のある

入口の前で寝そべっていた。

お、いたいた、じゃこの方を話題に話を盛り上げよう、ってちょっと離れた場所に

立って、しばらく拝見させていただいてたんだけど、ちらっとこっちを見ただけで、

興味なさそうに目を逸らし、こっちを二度と見ようとしないし、ちょっと目をしょ

ぼしょぼさせたりしたけど、特になにも反応がないようなので、きょうはねこは、

後にも先にもたったひとりだけしか見なかった、他の連中はどーしたんだろー、っ

て、あることないこと書いてまとめよー、って考えながらもどって来た。


で、うちの事務所があるビルととなりの塀のすき間をなに気なしに見てみたら、奥

の陰にバットマンがこっち向いて毛づくろいしてるところと目があった。

ありゃ、もうおひとりさんねこ見てしまった。

これだと、さっきのテーマでまとめることできないじゃないか、よし、バットマン

は見なかったことにしようか、って一瞬思ったけど、そこはそれ、うそのきらいな

私としては、とてもできない相談なんで、こうやってそのまま書いちゃったわけで、

だらしない文章になったままきょうはおわりにしちゃうのだ。


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