1/30ののらねこ       文は田島薫



茶とら御用達食堂

冬のでぶねこ、でお馴染み(?)の茶とらはきょうも元気にココア食堂への階段

を上がって来ていた。

醤油と卵を買い足しに行こうと、ドアの外へ出たところ、いた。

お、って顔して階段を下りて行って、2階の踊り場で立ち止まって、こっちの様

子をうかがってるので、いつものように、大丈夫大丈夫おいで、って手招きする

と、そーなんだよな、あの人はわるい人じゃないんだ、多分大丈夫なんだ、でも、

一応大事をとって、間合いを保っとこー、って顔をしてる。(どんな顔だっ)


買い物終えて戻って来て、階段上がって行くと、3階から茶とらが顔出し、おっ

と、あの人、上がって来ちゃう前に、って感じで、少し急いで下りて来て、2階

の踊り場から、ねこけもの道の方へ歩いて行き途中で振り返った。

ちゃんと食べた後ならいいんだけど、食事途中にこっちの気配で止めちゃったか

も知れないんで、また、おいでおいで、って声かけてみた。

こっち見ながら、そーなんだよな、大丈夫なんだ、でも、大事とって、間合い、

間合い、って、顔が言ってる。

私は手招きしてから、事務所の中へひっこんだけど、彼は多分また上がって来る

はずだ。


バットマンをここんとこ見ないので、シャンさんにそう言うと、さっき下にいた、

って言うので、何してました?って聞いてみると、ただ歩いてた、って。

で、それだけかー、ってちょっと不満そうに、つぶやくと、となりの建物の物置

きの屋根に、きたなくろがいた、って言うので、何してました、って聞くと、た

だ寝てた、って。


彼らは、下の方でうんまいもんみつけちゃったらしく上がって来ないようなので、

しょーがない、茶とらを、大事にして行くか〜。

(しょーがない、はないだろー、…茶とら談)


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