2/13ののらねこ       文は田島薫



おはようバットマン

朝出勤して外階段を上がって行くと、となりの建物のベランダに置いてあるの冷

蔵庫の上にバットマンがまるくなってって、こっちを見ているので、おー、って

目で合図して、上がりながら見てると、彼も目でずっとこっちを追っている。


3階に上がると、事務所のドア横のココア食堂のガラスの皿は朝1のシャンさんが

エサ出してる時もあれば、洗ってわきに干されていることもあるんだけど、今朝

は後者の方だった。


すでに乾いている皿にエサを入れバットマンの方を見ると、やっぱりこっちを見

ていたので、皿を上にかかげ、ほら食べにおいで、って言った。

いつもだったら、ふん、って顔で無視されちゃうことが多いのに、今朝は、すぐ

に冷蔵庫の上から立ち上がりぽん、っと下に飛び下りると、ベランダの手すりの

間を抜け、下のねこけもの道へ飛び下り、早歩きでそこを歩き、またたく間に、

2階の踊り場に到着、階段をどんどん上がって来て、ちらっ、とこっちに、目で、

おはよう、って言ってから、一直線に皿に行き、またこっちを向いて、にゃ〜、

って言ったので、どうぞ、って言うと、熱心に食べ出した。


最近2階の住人の出す紙皿は、他のねこさんが先に食べちゃうせいなのか、空に

なって裏返ってることが多く、バットマンはココア食堂に帰って来たようなのだ。

今朝も、ベランダのあの冷蔵庫の場所は夏の避暑地であって、冬には寒くて、居

心地悪いはずなんだけど、階段を上がって来る、ココア食堂のエサ係の一部始終

を見渡せる、ってことで、我慢して待ってたんだろう。


そういや、先週の午後も、来ないだろうな、って思いながら下のバットマンに声

かけたら、上がって来て、エサの方へ行くから、またお愛想でちょこって食べて

すぐ行っちゃうんだろうな、って思って、事務所内にひっこんで、5分ほどして

から、ドア開けて見てみると、まだバットマンは食事中だった。


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