12/27ののらねこ       文は田島薫


朝食待ち

今朝は、寒さも少し和らいだよう気候なもんでか、ねこさんも、必死にごはんご

はん、って焦ってないようで、お客さんの姿は見えない。

で、めずらしく午前中なのに路地の見回りに行ってみた。



先にやおや寄ってショーガください、って言ったら、ない、って、正月近くなる

と出荷なくなるのか、それとも売り切れなのか、聞き忘れた。

次に、明日予定のココア忘年会のために、酒屋で行って発泡酒ワンケース買って

かついで、北側の路地戻って来ると、向こうの方の弁当屋の前に座っていた薄茶

がこっちに気がついて、お、なんだか、でかい箱かついだ人がぼくの方見ながら

歩いて来るぞ、ひょっとすると、つかまえて箱ん中入れて三味線屋に売ろう、っ

てことかも知れないぞ、って思ったようで、こっちへ(?)逃げて来て私の足先

を右折して行った。



弁当屋の前まで来て、店内を見ると、奥で店員が働いていて、仕切りの手前の土

間に、店の奥の方に顔を向けて、座っている小汚い黒がいた。

多分、この時間は店員がエサを出してくれることになってるんで、それを待って

る、ってことで、薄茶もそうしてた、ってことなのだろう。



せっかくの朝食待ち時間を、でかい箱持っておどかしちゃって、わり〜わり〜。

でも、黒の方はこっち振り返ったけど、動じなかったな〜。

しかし、そばでもう、ごはんのおいしいにおいしちゃってるから、動じない、っ

て言うより、動けなかった、ってことかも知れないな〜。


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