12/4ののらねこ       文は田島薫


気まぐれバットマン

きょうはいい天気だけど、寒い、こりゃココア食堂の客足は今ひとつだろうな〜、

って思いながら、事務所の窓やドアを開け放してから、上着脱いだり、パソコン

のスイッチ入れたりしてると、にゃ〜、って言いながらバットマンが部屋に入っ

て来てあたりを探索し始めた。

以前にも、このように入って来て、目を放してるスキにふとん収納場所に入り込

んで、ぐっすり眠り込んじゃったことがあったんで、そこの戸を締め、出口に誘

導したら、おとなしくどんどんついて来て、ドアから外へ出た。

エサ欲しいんだな、って思い、待ってなよ、って言って、皿を洗って拭いたり、

水やエサをついだりして、外へ出てみると、もう、バットマンの姿がない。



おかしーなー、ってあたりを見回すがどっかでかすかにスズの音がしたような気

がしただけで、2階のベランダまで下りてみたけどいない。

となりの物置きの屋根にブラッキーが寝そべって、こっちを見てるのと目が合った

んで、バットマンは?って聴いてみたんだけど、表情変えずに、何言ってんだろ、

って目が言ってるので、ま、いいよいいよ、気にしないでくれ、ところで、エサ、

食いに来いよ、って手招きしたんだけど、また表情変えずに、何言ってんだろ、っ

て、目が言ってるんだけど、今度はわかってるはずなのだ。



しかし、バットマンはいつも腹減ってんだかどうなんだか、よくわからないことが

多くて、さいそくしてすぐに食べる時もあれば、手招きしても来なかったり、きょ

うのように、来たのに、食べないで帰っちゃったりいろいろなのだ。


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