8/7の主張 文は田島薫
(田中知事の落選について)
長野県知事として、無駄なダム建設中止や住民とのフランクな対話など、数々の改
革を行って来た田中康夫氏が今回の知事戦で、議会や建設業者などの保守勢力が押
す候補に破れたニュースには少々驚いた。
利権を守ろうとする陣営に囲まれ、孤軍奮闘し、成果も上げ、大多数の住民たちに
も支持されていたはずなのに、こういう結果になった、っていうことは、投票率が
前回より5%程度も下がったことから見ても、住民側に油断があったのだ。
田中氏の初当選の時からあからさまな嫌がらせで抵抗しようとした県職員がいたこ
とに象徴されるように、建設業者などと癒着し、議会から職員まで保守体質にどっ
ぷりで、いつか彼を追い出す機会を虎視眈々と窺っていたんだろう。
政策の業績や政治能力とは無関係な田中氏の旅費に関してのささいな帳簿ミスのよ
うなことにも大騒ぎし、住民へアピールしたし、知らずに住民も少し洗脳されちゃ
ったのかも知れない。
政治にあまり関心のない住民でも、たまには大局を見たり、頭を使って判断してな
いと、ずる賢い利権集団に騙されてしまうものなのだ。
結局、当選した保守候補は、ダム建設中止を見直す方針で、建設業界の方は大喜び
だろうが、田中氏が一生懸命減らした借金がまた一気に加算されたとしても、利権
集団である彼らは知ったこっちゃないのだ。
議会や職員が田中氏を嫌う理由のひとつには田中氏からの彼らの退職金カットなど
の主張が大きかったことは十分予想されることで、なぜなら、それを議会全員で否
決したことでわかる。
彼らは自分たちの利益より先に住民やら日本全体の政治のあるべき姿を考えてるわ
けじゃ全然ないのだ。
ガラス張りの知事室で住民と対話を進めた田中氏の方法は今度の保守知事はとりや
めるそうだ。
長野県が住民不在の利権者たちのお手盛り政治に逆戻りしないかどうか、よくみん
なで見定めて、われわれの今後の教訓として生かして行くことにしましょうか。
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