●連載 がたやま娘のひとりごと      文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

今回は、山形弁で腰痛も直る、って話。(…え?、ちがうの?)



ワヲ!

誕生日なので、(←誕生日前後の期間はけっこう長いのだ)自分へのご褒美に接骨

院に行った。

腰痛がひどく、夏なのに腰がツラい。こりゃイカンと思い、実家近くの評判の良い

接骨院に行くことにした。実家からその接骨院までは直線で100メートルくらい。

行く途中、井戸端会議中の近所のおばちゃんたちに会った。

おばちゃんA 「どさ?(どこに行くの?)」

私 「ほごの接骨院さ(そこの接骨院に)。」

おばちゃん二人「ナニした(どうしたの)?」

私 「コスいだくて〜(腰痛くて〜)」

おばちゃんB 「こらいらへんの人、けっこうほさんぐのな(ここらへんの人、

けっこうそこに行くんだね)。んだが。んだらな〜(そうか。じゃあね〜)」

って会話を交わした。イナカではこのような会話が非常に大切で「どさ?(どこに

行くの?)」っていう質問にきちんと答えないと「アイヅは怪すい(アイツは怪し

い)。」となる。だからイナカでは絶対に悪いことはできないし、絶対にバレるも

んなのだ。

接骨院はジジ&ババの先客がいた。事務のオバチャンとかオネエチャんはいないよ

うなので「初診です〜」とデッカイ声で言って入っていった。持ち込みした水木し

げる先生の自伝マンガを読みながら、順番を待った。

名前を呼ばれて、先生に症状を訴えた。「わかりました、じゃ、最初に電気かけま

すね〜」って15分くらいピリピリ電気マッサージ?した。その後、「じゃ、様子

見ながらほぐしていきますので、痛かったら言ってください」ってマッサージして

もらった。とても上手だったので「先生、やっぱりじょんだなぁ(上手ですね)」

ってバカなこと言うところだった。

「先生、なしてこだい腰痛ぐなるんだべっす?」って聞いてみたら、私の足のクセ

があって歩き方が悪く、それで腰に負担がかかっているのだそうな。それから先生

は「温めっど良いって言うげんとも、芯からあったまっど、芯から冷えっから、風

呂さゆっくり入るどが、温泉であったまっどが、あんまり良いどは言わんねんだ〜。

個人差もあっけどなぁ。鼻緒のあるサンダルとか、下駄履いてハバガてまっすぐ歩

いてみでけろ〜。」そして足首をテーピングしてもらって帰ってきた。

ワヲ!そっか。風呂嫌いでちょっぴり汚いカンジでゲタ履いたヤツって、何だか元

気そうだもんな。と思った。先生は、自然治癒力ってもんがあるんだから、とも言

ってくれた。ワヲ!自然治癒力ってコトバ、忘れていた!



それ以来、私は家の中では草履で、どこに行くにも下駄履きにした。腰のツラさは

不思議と良くなった。


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