酩酊放談             文は上一朝(しゃんかずとも)


発言欄のどうにも書かないN先生のピンチヒッターがレギュラーに、
事情通シャンさんが独立コラムに栄転!
今回は、センセイ、アングロサクソンのやらせ報道を看破してます。


真夏の夜の夢

8月10日英国で民間航空機テロの計画が発覚した。なんでもイスラム系過激派が液体の

爆薬を使って多数のアメリカ行き民間旅客機を爆破するということだった。

始めのうちは英国のMI5によれば、という報道だったが、いつのまにかスポークスマン

はスコットランドヤードに変わっていって、アルカイダの関与をほのめかすようになって

きた。

MI5は007ジェームズボンドの所属する英陸軍の諜報機関であることは皆さんご存知

の通り。さすがに隠れるのが早い。

さて、ここで常日頃から物事を真直ぐに見られない酩酊子はこの報道を臭いと睨んだ。

まず、発表の時期が怪しい。ちょうどイスラエルのレバノン侵略に対して国連安保理が停

戦決議を採択しようとスッタモンダしている最中だということ。

もうひとつは、一般旅客に対してサイフとパスポート以外の機内持込を禁じたということ

だ。これは、水は勿論の事、化粧品、持病を持つ人の液体のクスリまで、あらゆる液体を

取り上げるというかなり厳しいものであった。非常事態だから仕方が無いという人が大半

だろうが、ここがミソである。クスリはともかくその他の物は無ければなくても済むもの

ばかりだが、この便利すぎる生活になれた人々は、短絡的にイスラムはけしからん!。イ

スラムは怖いね!。ということになってしまう。空港での混乱は、民間人のイスラムに対

する怯えと敵愾心をあおるのに最高の効果が発揮されたわけである。

さて、プロはどうしたかというと英国各地のイスラム系住民の住む所に徹底的なガサ入れ

を行った。昔、日本の特高警察もよくつかった手で、証拠の乏しい相手に対する情報収集

には最高の手段である。それがなによりの証拠といえば20数人の逮捕者の内2〜3人が

まったく関係ないとして直ぐに釈放されている。

もちろんなんらかの動きはあったのであろう。元の情報がパキスタンからもたらされたと

いうことだが、これも素直に受け取ると大変なことになる。イスラム圏で核兵器を持つ国

としては英米のご機嫌をとっておかないとわが身があぶない。

「ちょっとアルカイダさんがおかしいですよ〜」くらいのことは言っただろう。これを聞

いてアングロサクソンのオジサンたちは、「シメタ!チャンス」とばかりにおおはしゃぎ。

もうお分かりであろう。どうひいき目にみても利がないイスラエルの暴挙から世界の目を

逸らさせるために展開された茶番劇であるということを。

損をしたのはスッピンのお嬢さんと、のどが渇いたお父さんだけ、という寝苦しい夏の夜に

ふさわしい悪夢でした。


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