●連載
がたやま娘のひとりごと         文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

今回は、世界が憧れる山形の大イベント「イモ煮会」の現地報告。



いも煮会の季節でございます

父の四十九日もまだ過ぎていないのだが、悪友一同からのお誘いがあって、夫と共に

山形市内の馬見ヶ崎という河原でのいも煮会に参加した。ちゃんと七日ごとのお寺参

りを済ませた後に参加したし、いつもたわむれている悪友たちのお誘いなので、父も

許してくれるであろう。

山形では、今頃の季節になると町内会や子供会や会社や、とにかく仲間たちと集まっ

て、必ずと言って良いほど「いも煮会」を行う。私もモノゴコロつく前から、両親の

友人たちと行われたのであろういも煮会で、イモにかぶりついているイモくさい子供

の頃の写真がある。

里芋と牛肉とこんにゃく、山形市内ではこれが絶対に欠かせないキホン具材で、これ

に各家庭や集団ごとに、しめじやごぼうやにんじんや、いろんな具材がプラスされる。

山形市内は牛肉にしょうゆベース、海沿いの庄内は豚肉にみそベース、上杉謙信が有

名な城下町の置賜では大根や厚揚げなんかも入る、とかって地域で違いがある。昔、

山形県内の仲間が集まって、三種類のいも煮を作って食べ比べしたことがあって、ど

この地方のいも煮も本当に美味かった〜♪でも、ひととおり味見すると、みんなそれ

ぞれ自分の出身地のいも煮を食べていたのが興味深い生物学的行動だった。

私たちが参加した時には、みんなはもうひととおり食べ終わってゴロゴロしながらい

ろんなことをおしゃべりしたり、デキあがって寝てたり。泥酔してしまった姉を心配

する、よくできた友達の弟と初めて会ったし、久しぶりに会った友達の友達も来てい

たし、うちひとりは、やっと授かった可愛い女の子を連れて来て、いいパパになって

いた。彼らの子供たちはみんなで思いっきり遊んでいた。天気が良くって心地よい風

がふいている。いも煮会って、とっても幸せで楽しい山形のイベントなんだ。


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