●新連載
クーニーズ 文はえんどうくにこ
世間の荒波を凛々しく乗り越えて来たベテランOLエンドーが
世間の矛盾、不正?を次々あばいて行きます!…多分。
今回は、だれにも経験あるけど、ふつう内緒にしてるような話。
とまどい
飲みすぎて記憶がなくなることならまだ安心だが、素面で普通の状態でも記憶がおぼろげになりつつある事実をどうやって受け入れようか、悩みがまた一つ増えた。
先日、職場のロッカーとデスクの鍵をなくしてしまった。気が付いたのは朝の通勤
電車の中。
おかしいなぁと、前日の退社時からの自分の行動を思い出してみることにした。
すると、ロッカーに鍵をかけてから電車に乗るまでの自分のしたことが思い出せ
ない。
トイレに立ち寄ったのかどうか、エレベーターで降りたのか階段で降りたのか、
傘をさしたのかどうか、地下鉄の駅ホームのベンチに座ったのかどうか。全く思い
出せないのである。
冷や汗がでるくらいに頭の中が真っ白になってしまった。まずい!アルツハイマー
かもしれない?!
そういえば、一週間前のことは覚えているのに三日前のことを忘れてしまったりが
多くなった。
どんどん暗い気分になって滅入ってくる。窓に映る自分の姿を観てゾットしてしま
った。
覚えが悪くなっている事実は否定できない。仕事と割り切って無理して頑張っては
いるものの明らかに覚えがつまり記憶力が衰えてきている。何だかとても悲しい気
持になってしまい電車を降りたくなった。
と、左手の腕時計に眼をやるとナント二時半で針は止まったまま!
覚悟をしなければと思いつつも、涙ぐんでいる自分を笑ってごまかすしかないので
あった。