11/21ののらねこ       文は田島薫



父帰る

今朝はいい天気なんだけど12月下旬の気温だって寒さ。

出勤して階段上がってくと、ねこけもの道の奥にバットマンがもう食事は済ませた

よー、って顔をこっち向けて座ってた。

3階の事務所ドアよこベランダではシャンさんがたばこ吸いながら、ココア食堂は

もう閉店だな、って言ってるので、そっちを見ると、週末に山のように入れといた

エサの半分以上は減ってるんだけど、まだたっぷり残ってた。

2階の住人がエサ出すようになって、3階まで上がる必要ないんで、お客さんたち、

そっちの方が楽ちんだ、ってことになったようだ。


お客さん来ないんじゃ、コラム書けないんで、また、取材に路地へ出かけること

にして、ちょっと2階の食堂も見てみたら、以前はいいもん出してたお椀になんと!

(それほど大げさなもんじゃないか〜)カリカリフードが少し残ってた。

あんまりお客さんが盛況になっちゃったので、やっぱり贅沢メニューは続かなかっ

たんだろう、これだと、お客さん帰って来る日も近そうだ。


つーとんの子供がいた路地の家の庭に、つーとん(顔向こう向いてたのではっきり

断言はできないけど)がいて(父帰る)同じがらの子とくっついて寝ていた。

子供はこっちに顔向けてんだけど、あんまり落ち着かない感じで、父ちゃんが身体

押さえてるもんで動けないんだけど、温かいから、ま、いいか、って顔だ。

つーとんは夏過ぎまで子供を置き去りにして、自分だけ別の路地の家の玄関前駐車

スペースをリゾート地にして快適に過ごしてたんだけど、寒くなったんで、子供が

カイロになること思い出して帰って来た調子のいいおやじなのだ。

(ヌレギヌだっ!、つーとん談)


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