5/30の主張             文は田島薫



(本質を見る、ってことについて)

中国副首相が小泉首相との会談をドタキャンして帰国してしまったことに、

失礼だ、って言う政府側近の意見が取りざたされたり、小泉首相の靖国参拝

発言に抗議してのことか、といった順当な憶測に対しても、首相本人が、

そんなことはないはずだ、って平然と述べたりした後、中国副首相当人から、

まさに靖国発言への抗議が理由だとはっきり告げられた。


それに対して、官房長官などの日本政府側の反応は、失礼だが、それについて

あえて反応は差し控え、穏やかに「無視する」旨の発言があった。


中国側はただ小泉首相の発言に不快感を感じ、それを態度に表わしただけだ、

って日本側は捉えてる、って言ってるわけだ。

そんな喧嘩には反応しないで、平和的友好的にやるのがよい外交だ、って

思ってますって、言うわけだけど、ほんとにその判断は正しいのだろうか。


中国側が求めたのは、その抗議行動に対して、日本側がもちろん怒りを表現

することを期待したわけではないだろうが、「気にしない」ってことと真逆の

反応を期待したはずなのだ。

真正面から受け止めて、今一度靖国参拝の是非を反省して欲しい、と。


しかし、政府側の本音や週刊誌の広告など見ても、ドタキャンが失敬だ、って

口調が目立つ。

歴史的、社会的に物事の本質を見る前に狭い視野の価値観による単純な表面の

印象論的判断で発言する、日本人にありがちな過ちを、国民のリーダーである

べき政治家までがやってしまっている。

それじゃ、どう見ても、ちょっと政治家、無能すぎないか。


政治、ってそれに有能な政治家が知恵を出しあい、よりよい方向へ国のあり方

を持って行くものだとしたら、自民党は同党の首相の発言だろうがきっちり反

対するべきものだ。

一方、民主党などは靖国参拝に関してこそ、反対してるものの、小泉首相の

業績の面=郵政民営化法案にまで、いちゃもんをつけ、審議をボイコットした

りしているのは、おかしくないか、なんでもかんでも反対してるようにしか、

感じられないではないか。

もっと、具体的に政治改革の本質を追及した有効な議論行動をする政治家だけ

をわれわれは支持して行こうではないか。




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