3/28の日記 文は田島薫
贅沢なライブ昨日は映画プロデューサー尾形さんプロデュースによる、舞踏家成瀬信彦さん
宅(ヒトヒソ館)での成瀬さんと、尾形さんの若い友人で声楽家の塩沢直美
さんとのコラボレーションに出版社の友人と出かけた。
お宅には尾形さんと塩沢さんの他、水墨アーチストの北山満智子さんとその友人で世田谷の料理屋「のぎ乃」の女将、我々の他、尾形さんと一緒に今度映画
を撮ろうと企画している演出家の筒井さんがビデオカメラを持って来て模様を
撮影した。
成瀬さんの緊張と緩和で巧みに構成された舞踏は見事だった。その模様は演出家の筒井さんのビデオで見ることができるはずなので、機会が
あって見れるならおすすめです。
その後、みんなが持ち寄った酒と成瀬さんのパートナーの郡司さんの手料理での
酒宴の乾杯の後、塩沢さんがステージ部屋に立ち、歌い始めると、成瀬さんは
さっき自分が舞踏でまとっていた長い布をジーンズ姿の彼女の体に巻き付け、
マリアに仕立て、自分はその前に体を丸めて横たわりイエスになった。
塩沢さんの歌は初めて聴いた時から、ほんとに声の美しさに感動させられていた。自分ではオペラのような歌は好きじゃないと思っていたのに、生で聴いた時に
新鮮な驚きがあったのだ。
尾形さんの誘いで、数人の観客のためのノーギャラのステージへ彼女は焼津の実家
での法事を済ませ、新幹線に乗って駆けつけ、楽しそうにたっぷり歌い続けた。
しかも、2週間後のコンサートを控え、酒宴の中、酒は一滴も飲まずに。
成瀬さんも塩沢さんも筒井さんも本物の表現者なのだ。
女性陣が先に帰った後も飲み意地の張った男客は大酒を飲み続け、私の無礼な挑発(?)に乗って、怒れるプロデューサーが本領を発揮した一幕もあり、メニュー
盛り沢山、なかなか刺激的な一夜だった。
(とは言うものの、成瀬さん郡司さん、申し訳ない)