3/7の主張 文は田島薫
(ホームレスの事情について)本ホームページの書き込み欄で、ホームレスについて意見が出されてから、そこ
での論争が盛り上がっておもしろくなるぞ、って期待してたら、意外に身近かの
人間たちにも意見への賛同が多いようで、それぞれが答えをはっきり出せずに
迷ってる風な印象も受けた。
だれでもホームレスがそばに来れば、臭いし迷惑だと感じてるわけだし、自ら家族もプライドも捨て社会から逃げ、仕事もやる気がない彼らの人権を認めて
救済すべきだ、って意見に対して偽善的印象を持ち、それに反対したとしても
無理はないだろう。
しかし、そういった反対意見は、現象にとらわれ過ぎているからじゃないか、って私には思える。
彼らがみんな好きでホームレスになったはずはないのであって、失業、家賃の
滞納、追い出され、年令や住所不定により就職不可、離婚、家族崩壊、といっ
たプロセスは今日の日本では大いにありうることだし、現実に、私の通勤途中
でも彼らの居住テントがだんだん増えているのが分かる。
朝から晩まで、段ボールを集めたり、空き缶を集めたり、して金にしてもやっと1000円札一枚かニ枚だとしたら、日々命をつなぐだけで精一杯だろう。
凍えるような冬でも、戸外と変わらないテントの中で寝てれば、健康だって
そこねるし、体力だって落ちるだろう。
彼らがなまけもので、仕事に頑張らない、って言っても、明日の希望がない彼ら
が、体力の消耗を最小にして、少しでも命を長らえよう、としたとして、だれが
それを批判できるだろう。
彼らにだってプライドがある、人間のクズを見るような見下した目で救済して
やろう、なんて言っても、多分それを拒否するだろう。
今日本の経済構造は合理的なものじゃない。大手や中堅企業はバブルの時には間接的に下請けの底の方の日雇いなどを大いに
利用し、不況になったら、現実的にはまっ先に彼らを切り捨て、リストラと言う
名の自己保身に走り、貧困層が拡大して行っても知ったこっちゃない、って
形なのだ。
国の財政は大赤字だっていうのに、そこから巨額の所得を受けたり、自分たちだけ仕事の発注を受け続ける寄生虫のような人間と、そんな状況の犠牲者ともいうべき
人間がいるのだ。
日本憲法ではすべての国民に、文化的最低限度の生活を保証している。
ホームレスは救済すべきかどうか、じゃなくて、国には救済の「義務」がある。
ホームレスに精神論をぶつけて説教したり批判したりするヒマがあったら、もっと批判されるべき対象があるのだ。
ホームレスはそれぞれの事情をかかえて、それぞれのできる範囲でみんな精一杯
がんばってるはずなのだ。
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