7/4ののらねこ       文は田島薫



シロペルシャの自立

きょうは朝から雨模様。事務所の途中の路地にシロペルシャの姿はなかったし、

先週末置いたペットボトルをカットした水入れも消えていたから、そばの食品

会社の人間にいよいよ追い出されちゃったのかも知れない。

その建物のよこの植え込みの上にもそこの玄関のひさしが伸びてて、雨の日にも

いつもならそこでシロはくろと一緒かひとりで快適そうに寝てたのだ。

普通ののらねこは一ケ所に定住すると迷惑がられるから、次々ねぐらを変えて

るんだろうか。

そーいや、あのひょうきんなバットマンだって、けっこう色んなとこで寝てる

のを見かける。

例えば、うちの事務所のとなりの建物も3つぐらいベランダが分かれてて、その

すべてに日を変えて寝てるし、先日の暑い日には地上の建物と建物の間の1メー

トル四方ぐらいのコンクリの日陰に寝てるのが階段の途中や上から見えた。

のぞくと、ひょいと首を持ち上げてこっちを見上げて、なんだい、なにか文句

あんの、へんなとこで寝てると思ってんだろ、いいんだよっ、ボカー、ここが

気持いいんだから、放っといてくれよな、って目でずーっと言い訳してるのだ。


シロペルシャは私が毎日エサ持ってったので、そこでなんとなく飼われてる気分

になってたんだとしたら、彼に申し訳なかったけど、きっとバットマンみたいに、

やってってくれるよな、これからは。


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