1/17の主張             文は田島薫



(自主規制体質について)

数年前の政治的番組の製作段階で政府要人からクレームが入り、修正しなければ

ならなかった、ってNHKの担当プロデューサーが告発をした。

当の政府要人の話ではその番組製作には問題があるという情報が政府の方にも

風の便りで来ていて、その問題点をNHK側が自主的に修正した後、NHK側が

担当者を連れて来て、確認を取ったのだそうだ。


当のNHK担当プロデューサーによると、事前に政府要人からの指導が入ったと

「信頼する」上司から言われたそうだ。


これだとどっちが正しいのか分らないようだけど、ま、これも想像だけど、

仮に双方正しいとしたとしたら、指導が入ったと言ったNHK上司が嘘を言ったか、

政府内での批判的空気を直接か間接に聞き、自主規制したんだろう、っていうのが

妥当なところだろう。


いずれにせよ、国から金が出てるとしても、報道が国からの規制を受けては民主

主義の根幹がゆらいでしまう重大な危機だ。

その認識があれば、少なくとも、顔色をうかがって修正したり、おうかがいを

立てに出向くなどという馬鹿げた行動はできないはずだ。


天下の大報道機関であるNHKの幹部の意識がその程度じゃこれから日本はどうなる

んだ、民主国家の報道機関ってものは、政府への批判だろうが、なんだろうが自由

に発言し、たとえ政府からのクレームがあったとしても、国民と一緒に反論する

ぐらいの勢いであるべきもんなのだ。


野党の連中は例によって自民党に詳らかな国会での弁明を求める、などと下らない

こと言ってるけども、問題の本質はNHK幹部の自主規制体質なのだ。

政府がどんな批判的態度であっても、毅然として自己主張して行くってのが、天下の

報道機関の志ってもんだろうが。


野党もいつもそんな卑近な視野で揚げ足とりばかりに精を出してるようじゃ国民の

支持を取るのは永遠に難しいぜ。




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