1/17ののらねこ       文は田島薫



バットマンはどこの子

かーっと晴れた気持のいい冬晴れの休み明け、エサ皿はなめたようにきれいで、

エサ入れてちょっとたって見てみるともう食べた跡がある。

でもお客さんの姿が見えない。

けっこう暖冬なもんで、ねこさん春になったと勘違いして急いでエサ食べて、

みんなどっかにガールハントに出かけるのかも知れない。


だもんだで、先週の小さな話を。

ちょっと寒い日だったんだけど、事務所のドア前から見える左側の建物の

物干し場風ベランダにバットマンがいて、にゃーにゃー言ってる。

見てると、奥の閉まったガラス戸に向かって言ってるから、中へ入れろ、って

わけのようだ。

そばの冷蔵庫のようなものの上に飛び乗ったら、そこには座ぶとんが敷かれて

いたんだけども、なおもガラス戸にお願いしている。

バットマンは首輪してるし、ちょっと目にはそこの飼い猫のように見える。

ほんとにそうなのかも知れないんだけど、以前には右側の別の建物のベランダ

から、開いていた窓の中へ我が家のように入っていったし、うちの事務所にも

開いていればどっからでも入って来るから、彼にとっては、どこの家も自分の

家なのかも知れない。

彼の本家がどこなのかは永遠の謎だ。


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