1/11の主張             文は田島薫



(自由主義経済について)

今年景気が回復するか、ってアンケートにテレビで複数の経済学者が答えていて

全然だめ、というのと、回復する、というふたつの意見に別れた。


全然だめ、という方の意見は、産業界の勝ち組と負け組が2極化して、ひとにぎり

の企業のみが大儲けし、社員も潤っているけども大部分の企業、特に中小零細など

では、月の所得が20万に届かない人々が増えている、と指摘し、勝ち組企業への

法人税を上げ、貧困層への減税をすべき、って言う。

回復する、って方は、自由経済においては貧富の差が出るのは当然のことで、

それはかまわないことで、今やっと景気を取り戻して伸びて行こうという企業に、

課税などして足を引っ張ることは全体の経済にとってもマイナスになると言う。


前者の方は社会主義的社会を理想と考えているのか、と一喝された風で、なんだか

後者の方に理がありそうにみえる、しかし、ほんとにそうだろうか。


社会主義ソ連が崩壊し、中国でも自由主義経済を取り入れ始め、社会主義は失敗

した考え方だといった風潮の中で、錦の御旗のように、自由主義経済だから、って

元気いっぱい発言してるわけなんだけど、社会主義だろうが、自由主義だろうが、

その当初の目的は、最大多数の最大幸福だったはずだ。

確かに我が国は不況だといいながらも、餓死したりする人もほとんどなく、誰もが

きちんとした衣食住を享受しているようにみえる。


しかし、実体は先程の貧富の2極化がどんどん加速していて、統計の数字は平均で

しかないわけだから、それでいいわけはないのだ。

下請けや社員の首きりをどんどんやって、生産効率だけ上げた企業とその従業員の

賃金、そういった企業の平均賃金を元にした公務員や特殊法人の賃金、勝ち残った

企業はますます生産効率を上げ、彼らの賃金だけ上がって行き、負け組の方は人数

だけ増えて、仕事はどんどん減り、賃金も下がり続け、消費も滞る。


健康的な経済ってものは、全体が有機的に関連しあい必要としあい、健康な人体の

ように血液が滞りなく流れ続ける状態なのだ。

自由主義経済だから、みんなそれぞれ勝手にやればオーケー、っていうのは政治

じゃない。

自由主義経済であっても、より機会の平等を実現できる構造にするべきで、社会

主義的政策も必要なのだ、社会主義思想は死んだわけではない。

今必要なのは、民間でも国でもワークシェアリングの政策を本気で実行すること

なのだ。




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