今週の雑感(昔のもありの)              文はさぬがゆたか


ソノ世界的イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だよりです。
しばらく感動ものじゃなくて雑感記に変えたいとのことです。



 「 米 」

前回の「蕎麦」に続き今回は「米」で小さく感動。

なんだかんだと難しいことを言っても、植物から粉を得て

粉をえんやこらとコネまわし、パンにしたりパスタにしたり蕎麦にもする。

ボクが小さい頃は麦めしなんかもあったけど(オイオイ何年生まれだい?)

そんな中、米は粉にせずそのまんま表皮を取って炊いて食するダイレクトなもの。

途中油や油脂分などいろんな味付けをしないだけ、そのまんまの味が出るのを

楽しめるんじゃないだろうか。ロックンロールだと思う。

ま、最近のロックンロールはバターで炒めたような甘たるさがあるので本気に

感じないんだけど〜。

種を撒いた土壌がはっきりしていなければ、どこかで帳尻をあわせなくちゃいけない。

そうしないと出生がばれてしまう昨今なところがロックンロールしていないのは米の

世界でも似ているような気がする。

時に評判のレストランなんかに行けば、噛めば噛むほどおいしいパンと出会う。やっ

ぱり嬉しい。きちんとうまいパンが嬉しい。何千円もするわけじゃない基本的なうまさに

感動する。たぶん土壌も行程が似てるんだろうね。

そう、年明けに5kの新米を譲ってもらった。非売品の5k。友人が譲り受けた分から

また分けてもらった格好。もちろん農業を専業としている仲間からの分配で、基本的

には農協に出荷すべき分を配分してもらっているとのこと。詳しいことは内緒だけど

(笑)その一定地域に限り産出されるらしい美味しい「米」との評判がたち、その

ほとんどが仲間うちで譲り買いされてしまうらしい。春の同じ苗床の苗を植えるにも、

なぜかその一定地域だけで生産される米の味が違うらしい。だから、み〜んな旨い米を

自分たちで食べたくなるんだって。

苗も同じく特別な肥料や追い肥をするわけでもないのに、手間いらずの水田で育つ

米がなぜか特別な地元評判になる。新潟の魚沼界隈のようなブランド米になっているわけ

でもなく、ただただ普通の旨い米。

じいさんやばあさんの話しによると「あの辺は昔しゃ〜よく氾濫したもんだあ。今で

こそ大きな堤防土手が出来たけど、年中氾濫していた地域だあ!」ってことらしい。

なんの肥料もなしにその地域は豊穣な何かを含んでいるんだろうと思う。ネギもスク

スク育ちトマトも真っ赤に熟す。その地で生産される普通のおいしい米が評判になる。

なんだかさ、そんな米に巡りあってしまうとわずかな知識でせっせと知恵比べしてい

るような最近がキュ〜ッと苦しいんだよ。

でさ、さっそく土鍋で炊いてみたら焦げてしまった。失敗(浸透不全火力)。

悔しいので新調した炊飯器で炊いてみた。成功だった。

うなるような甘さはなかったけど、ひと粒ずつがしっかりとつながり

ピカピカしていたので成功!漬け物と味噌汁で十分だと思う。

たかが「米」でこれだよ。ロックンロールな米だよ。

でももうカップ数杯も残っていない。



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