2/7の日記          文は田島薫



アーティストとディレッタント

ギター弾いて、テレビ見て、新聞読んだ。


たまには映画でも見るか、って思いレンタルビデオ店へ出向こう、と思った途中、

そうだ、前から見ようと思ってる古典映画類は図書館にもあるかも知れない、そっち

ならタダで借りられるし、って思い行ってみたら、棚に旧いのが沢山並んでいるんだ

けど、見たくないな、ってものばかりだった。

で、初期予定通りレンタルビデオ店へ行ったら、やっぱり古典は見つからず、目星の

新作類も少し地味な作品2本どちらも借り出されていて、1本はあったんだけど、

まとめて見たかったので今回はやめて帰って来た。


夜は遅蒔きながらトーマス・マンの短編トニオ・クレーゲルを初めて読んだ。

芸術家の苦労と凡人への愛情、芸術家と芸術愛好家の違いなどをテーマにしてるんだ

けど、なるほど、って共感しながら、私は苦悩する芸術家の立場になってて、しかし、

よく考えてみたら、トーマス・マンは私を芸術愛好家の方へ入れるんだろうな、って

感じた。

ま、彼の若い時書いた作品だから、多少力みや、傲慢さも感じさせられるんだけど、

ひとつの真理を表現していることは分かる。


しかし芸術家と非芸術家の境めって、なんだろう、って考えると、そんなものは

はっきりあるわけじゃない、自分がどうしても表現したいものがあるなら、例え、

トーマス・マンに芸術家じゃない、って言われたって知ったこっちゃない、って

妙に反抗的に力む私であった。


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