●連載=クボユーシローの
ふぉとふぉと


『李朝』のデザイン その5

ジーコはほんとに強運、『神様』はだてじゃない。2005年2月9日北朝鮮戦、ロスタイ

ムの1点でドイツW杯出場の展望が100Wの電球ぐらい明るくなった。

『この勝ち』はジーコの『采配』によると一部のスポーツ紙にあったが、それは違う

だろ。残り時間1分、小笠原は『とにかくキーパーの前に落とそう』と山なりの

ボールを蹴り入れた。

(ジーコの強運その1)北朝鮮のキーパーにとって捕球が難しい状況でなかったが彼は

より安全なパンチングによるクリヤーを選んだ。が、このパンチングが彼の命取りに

なった。ボールは距離も高さも無く正面にいた福西の前に、なおかつ、そのボールの

滞空時間の短さがキーパー前に張っていた大黒のポジショニングをキープさせた。

(ジーコの強運その2)思いっきり蹴った福西のシュート(何度見てもあれはシュート)

はヒットしないで福西とキーパーの中間にいた大黒へのナイスラストパスになった。

(ジーコの強運その3)大黒は体を180度ターンさせながら左足でのシュート、キーパー

は瞬時に自分の『左側』に飛んでくると読んだし、あの体勢では大黒自身もキーパー

から見て『左側』を思い切り狙ったはずである。しかし、大黒の微妙に当たり損ねた

シュートは逆をついた。キーパーの足元から30cmぐらいだろうか、『右側』をごろで

入りネットが揺らいだ。

鈴木も玉田も高原も中村も今ひとつだったし、『ジーコの采配が良かった』は無いだ

ろう。オマーン戦の久保といい、今回の大黒といい、アラビアンナイトの魔法のじゅ

うたんのような『ジーコの強運』に乗ってドイツに行けそうだ。

ネクストからきちんと連載『李朝』を続ける。

李朝陶磁器の薫りを格調高くモダンに受け
継ぐすばらしい作家、朴英淑女史。


戻る