●連載
がたやま娘のひとりごと 文はこんのたえこ
地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!
今回は、純真だった少女がどうしてこう(?えっ?)変わったか、ってお話。
バレンタインデー
頬を赤らめて、アコガレのひとにチョコレートを渡したことなど、皆無である。クリスマスしかり、自分のバースデーしかり。一年間のロマンチックなイベント事に
は縁が無い。まったくイロケの無いオンナである。
子供の頃を思い出してみる・・・
クリスマス。
酔っ払ってゴキゲンで帰ってきた父が「サンタさんからのプレゼントをもらってきた
よぉ〜」と、私に50円くらいのガムを持ってきた。「わー!すごーい!」と喜んで
はみたものの、どうみてもパチンコの景品にしか思えない。父のなじみの飲み屋で、
飲み友達がくれたであろうソレであろうことは、子供ながらにうすうす感づいていた。
自分のバースデー。
夏休みの真っ最中である。誕生日パーチーに招待していた友達(10人くらい)が
すっかり忘れており、かろうじて覚えていてくれた律儀な子ひとりだけが来てくれ
た。母が大量のスパゲッテイ(当時はゴチソウだ)を作ってくれていたが、子供2人
で食べきれるはずもなく、大量に残ったソレは真夏の暑さで異臭を放ち、母にメチャ
クチャ怒られた思い出がある。
バレンタインデー。
クラスのいじめっ子男子が、2月に入った途端クラスの女子全員に義理チョコを要求
してきた。渡さなければいじめられるのは確実だった。忘れないうちに買っておき、
冷蔵庫に保管して当日忘れずに渡した。その翌日、その男子は「お前からもらった
チョコ、サカナ臭くて食えない!」とクラス中に響きわたるデカい声でわめいた。
当時キムコとか、ソレ系の冷蔵庫の脱臭剤みたいなものが流行ってなかったのだから、
仕方がない。
大人になってもなんら変わりはない。
去年のクリスマスは、行きつけの焼肉屋のレバ刺しとビールでイイ気分だった。
30歳のバースデーの前日には母方の祖父が危篤で、バースデーの翌日が命日になった。
バレンタインデーなどいつも忘れて、毎年残業している。
そのままでも充分においしいチョコレートを、わざわざ溶かして型に流して何かする
のも面倒だ。面倒な思いをして作成したチョコを、他人様に差し上げるのもゴメン
だ。おいしいものは独り占めにしたい。