●連載
がたやま娘のひとりごと         文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

今回は、少年少女に一瞬でワープ、ってお話。



虹を、見ていた。

とある休日の、ちょっと肌寒いお昼ごろ。

寒いけれどお日さまがクリアで、天気が良い日。お洗濯をしたりお掃除をしたり、

夫とともにこまごまと家事をしていた。

にわか雨が降ってきた。山形ではちゃんと雪が降る季節になるまでは、雪の代わ

りにかなり冷たい雨が降る。その日もそんな冷たい雨が、ぱらぱら降ってきた。

うひょー!寒いし、干したばっかりのお洗濯物どうしようかな(汗)とちょっと

あわてた。でも、お日さまは出てるし、にわか雨だろうからまあいいや。ほうっ

ておこ(ぐーたら主婦(^^)って思って、・・あ・・!晴れてるから、虹出て

るかもしんないじゃん!ってひらめいて、夫に「虹見えるかもしんないよ!」っ

て声かけてみら、夫は「ふうん。」と答えた。

お日さまの光の反対側に出るんだよね、って小学校で習ったことを思い出しなが

ら、お日さまが見えるベランダから反対側の玄関に出て、ドアを開けてみた。

見えた・・♪

「虹見えるよー!」って夫に声かけてみたら、モソモソとタバコくわえて玄関に

出てきた。虹って七色だけど、何色だったっけ?外側から色の順番あるんだよね。

どういう順番だったっけ?色見えねー、あれ何色?霧吹きで虹つくれるんだじぇ

ー、って二人とも小学生みたいな会話をしていた。二人とも子供の頃は、みんな

で虹に向かって歩いてみたり、虹についてなんかいろいろ考えていたことは同じ

なのだ。虹の色は、心が澄むように透明で美しかった。

寒くてハラ減って震えが来たので、ドアを閉めた。その後買い物に出かけたとき

には、もう虹は消えていた。


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