4/4ののらねこ       文は田島薫



みんな走ってく

今朝はクボセンセーが早出だったので、遅く出勤して、階段上がって行くと、上

から若とらが大急ぎで下りて来てすれ違い、おーい、って呼んでも、振り返らず

に行っちゃって角を右に消えた。


先週末はドアから出たら、ちょうど来てたらしい黒い子ねこふたりが大慌てで、

駆け下りて行き、呼んでも振り返らずに角をふたりで右に消えた。


さっきは近くでねこの威嚇するような声が聞こえたので、ドアを出てみると、

バットマンが、階段駆け下りて行き、呼んでも振り返らずに角を右に消えた。


ベランダの奥を見ると、新人くろがいて、そばへ寄って行こうとしたら、さー

っとこれまた、階段を駆け下りて行って角を右に消えた。


最近どっかから来たこの新人くろは表面の黒い毛の中の毛は白い、ってアブノー

マルな毛の持ち主で、10数年前ココアに来てた先代のくろに似ててひょっとすると、

その子供なのかも知れない。

そして、先週の小さなくろのふたりは兄弟で、先代の孫ってことかも知れない。


その新人のくろはけっこう実力者らしく、となりの建物のベランダにある冷蔵庫

の上の座ぶとんは最近までバットマンの専用のように、彼が寝てたんだけど、

いつの間にか、新人くろが寝てることが多くなった。

あれ、さっきまでバットマンが寝てたのに、ってことがよくある。

バットマンは去年の前半ぐらいまでは、我が物顔で歩き回ってたんだけど、

もともと平和主義ではあったんだけど、何度かの、他のねこからの威嚇にすっかり、

謙虚(?)になり、すぐに場所を提供したり、人を見てもさっさと走ってちゃうよう

になった。


シャンさんによると、バットマンの謙虚は徹底してて、となりの建物のベランダ

のくろに譲る前の座ぶとん上に座りながら、朝エサ場にカラスが来てるのを、見な

がら、彼らが終わるのを待ってから、上がって来るらしい。

もっとも上がって来ても、彼はエサを食べないことが多いんだけど。


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