今週の雑感(昔のもありの) 文はさぬがゆたか
ソノ世界的イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だよりです。
しばらく感動ものじゃなくて雑感記に変えたいとのことです。
「ボーダーライン」
ここんところ、またインターネットにはまってます。と言っても、ちまたの青臭いエッチサイトや書き込み欄のヒーローになっているわけではなくて、天空からの
眺め、つまり衛星からの画像に見入っているわけ。
軍事上の問題に触れる以外解放されている各国のあらゆる映像が楽しめるインター
ネットにはまっているというところなので御安心のほどであります。
で、何が面白いのかと言うと、何が面白いのか良くはわからない。
でもね、小さい頃から俯瞰図的風景がすごく好きだったのは確かで、小学校の近くに
大きな工事現場があった冬。ブルでかき分けられた土の斜面に霜が降りて、あたり一
面真っ白だった。
登校途中見かけたのは、陽があたっている部分の土と影になった部分の白い霜がすご
く感動的だったこと。で、どうして感動したのかもわからない。
それからまだ欧州への国際線がアンカレッジを主要としていた頃、窓から見える氷の
山脈はまんま子供の頃に描いた風景の延長で機内で異常に興奮したもんだったのよ。
それがいい大人になってもたいして変わっていなかったんだと思う。まるでシュノー
ケルを加え水中メガネで眼下をゆっくりゆっくり眺めていくように、画面をスクロー
ルする。
「ああ〜ここからネバダ州か。レイク・タホってけっこう大きいなあ・・・」「なんだよサンディゴ、ここからメキシコか。けっこう近いな・・・・」
関東を眺めれば東京を中心に我が田舎まで一望。アップすれば東京ドームの白屋根も
わかるし荒川の堤防まで分かる。かつてB29からの眺めはどんなんだったんだろうって。
沖縄対馬から朝鮮半島に渡ってみた。同じく茶色と深緑色の大地が続き、今問題になっ
ている北とのボーダーライン。同じように緑色の大地。中国大陸に入ってからはさすが
に黄河の色が多い。大きな鳥にでもなったみたいにアフガンからイラン・イラクへと
飛んだ。
どこにも赤い点線ラインは引かれておらず、町の名前も川の名前も記されていないただの大地。
すんなり中近東からヨーロッパに渡り大西洋もなんのその。
台風の小さなうず巻きを眼下に遥か水平線沿いに、青白く大気圏の層があるだけ。
そうなんだよ、偉そうな名目で飛んでる軍事衛星だって、ていのいい盗撮じゃないか。
たいした文明のシャトルだって薄皮まんじゅうの表面をかすって廻り飛んでるだけ。
そのはるか遠くからしっかり見られているんじゃないかって思うと、悪いことは出来ない
やね〜って思う。ましてや、赤い線をあっちこっちに引き、我等が母なる大地の血液を
取り合いし、天に向かって唾を吐くようなこと。
そんなわけで、目を真っ赤にしながらそんな遊覧飛行は朝方まで続いたのであります。