11/22の主張             文は田島薫



(年金積立金流用について)

旧厚生省所管の特殊法人・年金福祉事業団(現・年金資金運用基金)の住宅融資事業

と大規模年金保養基地グリーンピアの事業で借入れた財政融資資金に6兆3千億円の

負債が残ったので、住宅融資利用者の返済金でプールした分1兆6000億円と年金積立

金から4兆7000億円を立て替えて一括返済するとの厚生労働省の方針発表があった。

最初きちんとした事実認識力のなかった私は、その「負債」って言葉に不況の中の中小零細などに
おける私個人的言葉のイメージ、負債=返せない借金、ってとらえ方をしてしまい、認識が混乱したん
だけど、、当然その負債って、住宅融資などに貸し付け、今後返済される金が多い、ってことにやっと
気づいた。

損失額を最小限に押さえる、という理由で一括返済しよう、っていうんだけど、

問題は、その行政の失敗の穴埋めを、その原資が本来年金の給付のみに使うべき、

われわれが払った年金から、っていう乱暴なところだ。

返済をしても、財政融資資金からの借り入れの他、年金からの特別会計から使った事業

費2兆3000億円のうち、ほとんど利用もされず、結果的に資産価値も二束三文になった

グリーンピアの建設費・維持費、や住宅融資の貸し付け時の逆ざや補填、何でそんなに

かかるのか分らない貸し付け業務の委託費や基金の人件費(5000億円!)など合わせて

1兆3000億円は損失になるというのだ。

これは、はいそうですか、ってそのままにできる項目ではない。財政融資資金からの借り入れ負債の
一括返済に関しても必要性があるのか、返って赤字が増大する可能性だって充分あるわけだし、で、
今回の赤字分だけを年金で埋め合わせる、ってことで発表した場合、矛盾がより際立つために、はじめに
財政融資資金の負債という表現を強調して、私が錯覚を起こしたような目くらまし効果を狙った面も
あったんじゃないか、って個人的には感じられる。

旧厚生省役人の天下り先に年金を運用する特殊法人を作って、それとつるんだ業者や

金融機関と利益を吸い取り放題やってれば、赤字はいくらでも出る、ってもんだろう。

年金資金運用基金(現在名)は自分達の給与まで、年金積立金でまかなってる上、自分

達専用の保養施設まで作っていた、ってほど、やりたい放題。

もっと、当時の発注額やら、資金運用経過と金額の明細などを検証し、担当者には

責任を追求し、刑事罰だってどんどん科すべきなのだ。


われわれ国民は役人に完全になめられているわけで、特殊法人から独立行政法人に

名が変わっても、どこも内実は似たり寄ったり、われわれはもっと彼らを見張ろう。




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