3/29の日記 文は田島薫
安酒場客の花見映画プロデューサーの尾形さん行きつけの安酒場の客同士で集まる花見に昨年に続き参加した。
集合は西武新宿線の新井薬師駅に3時ということだったのに、3時10分になっても尾形さんも、
それらしいメンバーの顔も見れなかった(後でメンバーが何人かいたんだけど、双方とも顔を
憶えてないせいだとわかった)。
公衆電話から尾形さんの携帯にかけてみると(私は携帯を持ってない)、どういうわけか、王子にいるんだ、と言う。
聞くと今からそこを出る、と言い、私も顔を憶えてるメンバーが間もなく駅に着くと言うので、
待ってからその彼と現地の哲学堂公園に向かった。
6〜7分咲だけど見ごたえ充分の桜の下で、すでに10人ほど集まっていた。尾形さんは結局1時間遅れで来て、どうも王子は別の居酒屋の花見に参加してたせいらしいから、
さすがに人付き合いにはまめで忙しい人なのだ。
去年と同じ便所に近いその場所は通路なのでまん中の部分は開け、両端にシートを分けて広げ、そのせいもあって、よくあるように全員が車座になるんでなく、思い思いの場所に座ったり
立ったり、そばのベンチに腰掛けたりで、悪く言えば、まとまりがない、良く言えば、自由な
雰囲気だった。
持ち寄った酒の銘柄の品評をぼそぼそ言い合ったりするぐらいで、これといった話もないのに、
中高年の男たちが集まって、何がおもしろいのか、って自分でも考えるんだけど、多分、桜の下
でそよ風に吹かれて、明るいうちから堂々と酒を飲める開放感と連帯感が気持ちいいんだろう。
去年同様、間もなく5時になると風情のある公園は閉園で、隣の桜は咲いてるんだけど遊園地のような広場へ民族大移動だった。
酒がなくなるその後は高田馬場のその店へ民族大移動、ただみんなで一緒に酒を飲む、それ以外
に意味を持たない動物になったようなイベントの日であった。