6/21の日記 文は田島薫
梁石日(ヤン・ソギル)の本健康を考え、私のふだんの日の酒は缶ビール500ccにショーチュー1杯ぐらいで
止めるようにしているのだけど、映画プロデューサーの尾形さんが週に2回、
事務所に来て、けっこう沢山飲むのにつきあってしまっている上、その前後の日
だって、夜、別口の飲み会があるのに、シャンさんが昼間いきなりビール買って
来てしまったり、土日も土日で家に遊びに来る友人がいたりして、けっきょく
先週も連日けっこう飲んでしまっている。(人のせいにしてます)
ふだんひとりの時はギターと新聞とテレビをほとんど同時進行でやるんだけど、さすがに友人が来ている時は会話が加わるため、テレビとギターだけになった。
友人が帰った後、新聞と、木曜日の晩尾形さんから是非読めと渡された梁石日
(ヤン・ソギル)タイの貧困による幼児売春、臓器売買をテーマの厚い文庫を
読んだ。
あまり楽しい内容の小説じゃなかったけど、特にわれわれ日本人や、先進国と
いわれる国の人間が知るべき悼ましい世界の実相のひとつがリアルに表現されて
いて、われわれの豊かさとそれとの因果関係を意識させざるおえないのだ。
本はいろいろ平行して読んでて、まだ昭和史も途中だし、電車で読む(自分としては好きなタイプとはいえない作家三島の)遅蒔き豊饒の海も数カ月かけやっと完結
4巻め、もうちょっとのとこなので、新しい本を借りて読む余裕はなかったんだけど、
彼が熱心にすすめる理由は何か知りたかったし、気楽に借りたんだけど、ビール飲ん
でくつろいでた時、思い出し、カバンから取出し、見ると図書館で借りたその本は
返却日が迫っていて、月曜に彼に返さなければならないことがわかり、2〜30ページ
しか読んでなかったやつを、9時ごろから読み、ピッチを上げたら500ページ近いのを
1時ごろには読み上げた。
遅読の私でも集中するとけっこう早く読めるもんだな、感心したのだった。