今週の雑感(昔のもありの)              文はさぬがゆたか


ソノ世界的イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だよりです。
しばらく感動ものじゃなくて雑感記に変えたいとのことです。



「くたびれたシューズ」

あまりかっこいい話しじゃないけれど、どうしても愛着のあるシューズが一足。

くたくたのアディダスをまだ愛用している。すでに皮部分が剥き出しになって

色もデザインもあったもんじゃないシューズなのに捨てられない。

さすがに、それで街に出ることもないし出ないように心掛けているくらい

すさまじい傷み方だ(笑)

減価償却を三回転ぐらいはしたであろうそのシューズなのに、未だ現役な理由は

とにかくとにかく足型になってしまっているんじゃないだろうか?と思えるほど

いつもスッポリ収まる。地下足袋?にも似た感触がたまらない。芝生の上を走れば

隆起を感じ、サッカーボールに逆回転を与えたい感触や、足の甲で止めたい時にも

それなりにいい感じななのだ。どんないい運動靴よりも裸足を選んだエチオピアの

英雄アベベ選手を思いだしてくれればラッキー!ま、それにも似た感触があって

いまだ現役なのである。


が、そんなシューズが先日から見当たらなくなった。

紐を新品に取り替え洗ったまでは良かった。犬小屋のそばのテーブル横に影干しして

おいたまま片方がない。

我が家の犬を疑った。彼はシッポをゆるりゆるりと振っている。

近所の犬を疑った。向かいの家の白い犬はいつも態度がでかい。

とにかくシューズの片割れがなくなったのは事実で、その日から

別の靴に履き替え、散歩をしたりボールを蹴ったり車で近郊を走ったりするものの

同じ風景がどうにもよそよそしくて落ち着かない。

今頃その片割れのシューズはどこにいるんだろう。どうなって

いるんだろうなんて思うのはきっと馬鹿々しいことなんだろうな。

そんな時代じゃないって誰もが思っているのに、そんなことで

一日が過ぎる自分は幼いに違いない。もしくは幼くなってきたのか(笑)。





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