12/20の主張 文は田島薫
(正義の妄信について)先週、北朝鮮への経済制裁反対の文を書いたんだけど、その続きを。
DNA鑑定で拉致被害者のものだという骨は他人のもんだった、って日本の表明に
対して、その後北朝鮮はそれを信じない、それは日本側のねつ造だ、って言った。
さらにそれに対してほとんどの人々が、北朝鮮はでたらめな事を言う、って怒って
る風なんだけど、北朝鮮の言ってることが間違ってる、って証明はどこにあるんだ
ろう、DNA鑑定を正しくやったと確信している鑑定者本人ならそう言えるだろうが、
データの証明も見せられていない一般人がそういう妄信は危険だ。
DNA鑑定、って言葉をい聞いただけでみなが条件反射してしまってるのだ。
日本の警察はかつて、拉致被害にあったらしいと思われている行方不明者のものだという鑑定をした死体が身長からいっても服装からいっても、当人と矛盾していて、
家族が他人だと言ってるのにもかかわらず、当人だと決めつけたまま、ってことを
したことがあり、政治的判断などでのデータねつ造例はいくらでもあるのだ。
きのうもテレビに石原都知事が出てて、北朝鮮はなんて非科学的な国なんだ、って頭から馬鹿にした発言をしていたけど、石原さんがそんなに科学的な頭脳持ちとは
気がつかなかった。
大勢が自分たちは民主主義の科学的で正しい国の住人であり、北朝鮮はその逆の国だって思い込んで、口を揃えて糾弾しているのはいかがなもんだろう。
北朝鮮人にとってはその立場が全く逆転するのだ。
子供の喧嘩じゃあるまいし、自分の能力でもないものを妄信して、相手を責めるだけの
ことをしてるようじゃ、まだまだ日本も未開国と言わざるおえないだろう。
きのうの新聞では、私が今一番信頼している政治学者の姜尚中さんが、経済制裁は効果がないばかりか、6ヶ国協議の進行を止めてしまい、日本の立ち場も孤立し、
北朝鮮は硬化し、いいことは何もない、と書いていた。
そんなに自分たちが正しい人間かどうか、われわれ日本人は冷静に点検した方がいい。
戻る